012



1週間が経った。

オークを中心に狩っていた。

収支はとんとん。


二人とも力をつけてきており、クレアは身体lv28、マリアも身体lv18まで上がっている。

もともと二人とも訓練はしており、しばらく奴隷商店に缶詰されていたためにlvが上がってなかったが、素質はあったのだ。おまけに殆どの戦闘を二人に任せ、俺はいざという時に助けれる様に後ろで見ていただけだ。


俺の身体lvも30まで上がった。<剣術>もlv5だ。明らかに俺のレベルの上がり方が異常だ。ステータスも二人の10倍近い。

他の冒険者のステータスも<鑑定>して見たが、身体lvは及ばないが、ステータスはAランク冒険者より高い。

ほとんど戦闘をしていないのにlvが上がるのは、なぜだろうか?


魔法の方はlv10から上がっていない。いないが、循環している魔力は日に日に早くなっている。

魔力の強さや量も、大きくなっている。


そういえば、休日とした日に、一人で町の外に出て、魔法の練習をしてみたことがある。

北の森で木を相手に<風魔法>を放ったが、<魔力操作>で、出来るだけ込める魔力を減らしても、背後10本ほどまとめて切断した。

全力でやったら、見渡す限りの禿山とかになりかねない。

他の人の魔法は見たことがないので、はっきりとは分からないが、これが当たり前とは思えない。

<魔力操作>が上がったら、普通の威力の魔法が放てるかな。。。

<魔力操作>もlv10なんだけど。。。


因みに回復魔法も試してみた。ナイフで指先をちょっと切って、魔力を指先に集め、細胞を活性化させるイメージだ。

結果としてうまくいった。実際にどこまで回復できるのかは分からないが、<神聖魔法>もlv10だ悪くはならないだろう。


試しに、水を出すだけの初級魔法を魔力を絞って使ってみると、大樽をいくつもひっくり返したような量が出た。

飲み水が出せて便利だと思っていたので、強くなることで、不便になるとは思わなかった。




そんなある日、領主様から呼び出しがあった。


「わざわざ来てもらってすまない。

冒険者として依頼を受けてもらえないかと思って、呼び出させてもらった」


「私はDランクですが、私に指名依頼ですか?」


「あぁ、知らない高レベル冒険者よりも、知っている冒険者の方が信頼できる。

それに、君なら実力も問題ないだろう」


「評価してもらえるのは嬉しいですが、そんな理由でよろしいので?」


「あぁ、今回の依頼に関してはその方が望ましい」


「詳細を聞かせていただいても?」


「今度、娘のリリアが王都の学校に入学することになっている。

その護衛だ。もちろん騎士も他の冒険者も連れて行くが、馬車の中で一人は寂しいと言っておる。

学校に入るのにメイドを連れて行くわけにもいかんしな。

そこで、護衛というよりも、同行者としてお願いしたい。

無論、いざという時は護衛として働いてもらう。


正体を明かさずに護衛をして貰うのには理由がある。

先日、リリアが誘拐されかけた。犯人は捕まえたが、牢にいる間に歯に仕込んだ毒を飲んで死んでしまった。

毒を飲んで死ぬのは、非合法の組織の証明みたいなものだ。なので、再度誘拐を企んでいる可能性が高い。そこで君たちの出番だ。

雇った冒険者が取り込まれていないとは限らないのでな。


それにそなたは、最近、女奴隷を買ったと聞いておる。

リリアの世話をさせてくれるとありがたい。

なにせ、小さい頃からメイドに身の回りの世話をさせるのが当たり前になってしまって、家事の一つもできん。

花嫁修行をさせようと考えておったが、女騎士を連れて外出してばかりでな。

まぁ、花嫁修行自体は、学校で仕込まれるのでそれほど問題はないが」


「護衛期間と報酬はどうなりますでしょうか?」


「期間は王都との往復と王都滞在中だ。大体片道10日程度見ておいてくれると助かる。

報酬は基本金貨10枚。いざという時に戦闘に参加すればさらに10枚だ。

戦闘に参加するかどうかは、リリアが判断する」


「ふむ、特に問題はないですね。

その依頼受けましょう。正体を隠すなら、ギルドを通さない直接依頼の方が良いですね」


「そうしてくれると助かる。

出発は2日後。日の出前に我が家の門前に集合だ」


「了解しました」




俺は帰った後、2人に依頼を受けたことを話す。


「依頼自体は明後日だが、今日のうちに準備を始めたい。

食料やテントなどは用意してもらえるということだが、何かあっても困らない様に、自分たちの分は用意しておきたい。

お前たちは替えの服や、テント、食料などを買い込んできてもらいたい。

荷物自体はマジックバッグに入れておいてくれ」


銀貨20枚が入った袋とマジックバッグを渡す。


「では行ってまいります」



夕方になると、2人が帰ってきた。

それも、結構な量を抱えて。


「そんなに買い込んでどうした?」


「申し訳ありません、マジックバッグに入りきりませんでしたので、持ってまいりました」


「いや、買ったのは問題ないが、そんなに買うものがあったか?」


「はい。

ご主人様に不便をおかけしない様に、必要だと思われるものを予算内で購入してまいりました。

今回は馬車と聞いていますので、問題ないと思ったのですが」


「おいおい、依頼主の馬車だぞ、勝手に積める訳ないだろう」


「申し訳ありません、すぐに返してきます」


しゅん、となって返却してくるというマリア。


「といあえず、何買ったか見せてみろ」


宿屋の部屋で、マジックバッグの中身も含めて説明させる。


「こちらがご主人様の替えの服になります。

こちらはご主人様の身だしなみを整えるための鏡です。

こちらはご主人様の、、、

こちらもご主人様の、、、

、、、」


俺用のものばかりだった。


「お前たちの着替えはどうした?

買ってこいと言っただろう?」


「申し訳ありません、ご主人様のもろもろを揃えるのに予算を使ってしまったので。。。」


「ふぅ、、、仕方ない。

荷物はすぐに必要そうなものはマジックバッグに、それ以外は俺の<アイテムボックス>に入れる。

それと、明日、お前たちの服を買いに行くぞ」

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