011



二人を連れて、まずは服や下着を揃えさせ、靴もしっかりとしたブーツを買い与えた。服は冒険者向けの頑丈なやつだ。

あとマリア用にメイド服を注文した。裾がひざ下くらいのにした。動きやすいためだ。

また、武器屋に寄って、小剣と大剣を購入。


「ご主人様、こんな綺麗な服、、、古着屋で十分です!」

「いや、必要経費だし」


宿に戻って3人で借り直す。ダブルの一部屋しか空いてなかったので、そこにした。

シカタナイヨネ。

今まで借りていた一人部屋が空いてるはずなんて、気にしない。


夕食を取ってから、みんなで寝た。

因みに夜は特に何もしなかった。最初から二人一緒はハードルが高いよね。童貞には辛いものがある。


「ご主人様は私たちに興味がないのだろうか?処女を指定していたみたいだが」

「胸を見たりしていたので、興味がないわけではないと思うのですが」

「ならなぜ手を出さなかったのだろう?二人ともを買ったので、そういう趣味かと覚悟していたんだが」

「ええ、私も覚悟していました。しかし、手を出さないということは、また何処かに売られるのでしょうか?奴隷商には見えませんが」

「私たちを値切りもせずに即金で買えるお金を持っているのに、貴族では無いようだし。大商人の子息だろうか?」

「財宝を掘り当てたとか?」

「Dランクだぞ?」

「情報が少なすぎますね」

「ああ、考えても分からんな。冒険者の様だから戦闘するんだろうが。

そう言えば、お前は戦えるのか?スキルは<メイド>だろう」

「護身用に<短剣術>を持っていますが、ご主人様は知らないはずです。何故か武器屋では当たり前のように短剣を渡されましたが」

「伝説の魔眼持ちかもしれんな」

「ご主人様に捨てられないように、頑張らないといけませんね」


という話し合いが、あったとかなかったとか。




朝起きると、両側から腕に抱きつかれていた。マリアとクレアだ。二人とも寝間着は買わなかったようで、下着姿だ。うむ、極楽極楽。

暫く腕の感触を楽しんでいると、二人とも起きて来た。


着替えて朝ごはんを食べると、部屋で話をする。


「さて、改めて自己紹介をしよう。俺はジン。Dランク冒険者だ。

お前達には冒険について来てもらう。クレアは戦闘要員、マリアは料理と夜警だ。マリア、身は守れるか?ダメなようなら街に置いていくが」

「大丈夫です!連れて行ってください、ご主人様!」


何故か目一杯アピールして来た。

家買った時にメイドしてもらっても良いのだが。まあ、戦闘ができるに越したことはない。

<短剣術>があるのを<鑑定>で確認して買ったのだから。


「分かった。それではこれからの予定を伝える。数日はギルドの訓練場で、実力を見る。その間に、細々とした買い物をする。欲しいものがあったら、早めに言うように」


「「はい、ご主人様!」」


「ではまずは訓練場だ」


訓練場で軽く手合わせをすると、クレアは元傭兵だけあって、Dランク上位程度の力がある。身体lvは23だ。

マリアは護身程度か、Eランクと言ったところか。身体lvは12だ。時間稼ぎが出来れば十分だ。


クレアが聞いてきた。

「ご主人様、私はこれでも傭兵として剣には自信があったのですが、一撃も当てれませんでした。ご主人様は本当にDランクなのでしょうか?」

「Dランクは間違い無いぞ?実力がDランクかどうかは別として。<剣術>はlv3あるぞ?」

「<剣術>のレベルとはどう言うことでしょうか?lvとは違うのですか?」

「はい?」


俺は慌てて、宿に連れて帰って、確認した。


「スキルのlvの話だぞ?何を言っている?」

「スキルにレベルがあるなんて聞いたことがないのですが?」


話が噛み合わないので、詳しく確認すると、この世界では、スキルのレベルは何処でも確認できないらしい。

スキルの有る無しは確認できるようだが。

昔の大賢者が魔眼を持っており、スキルが見えたそうだ。その時にレベルがどうと言う話をしていたらしいが、他の誰も確認できなかったので、魔眼持ち流の冗談、と言うことで誰も追求しなかったらしい。


lvの概念がないのなら、人と比較しようと思ったら、戦ってみるしかない。これではlvを上げるとか以前の問題だ。


「ご主人様は魔眼持ちなのですか?」

マリアが、聞いてくる。

「その賢者の伝説に合わせれば、魔眼持ちと言えるだろうが、これは、<鑑定>と言うスキルだ。スキルの熟練度をlvという数値で表示してくれる。マリアの<短剣術>を知ったのもこのスキルのおかげだな」

「さすがご主人様です」


何がさすがなのかは知らないが、取り敢えずスルーする。


「俺の魔眼、もとい、<鑑定>に関しては他言無用だ。これは命令だ。いいな。

さて、疑問も解決したし、買い物に行くぞ」


タオルや食器、果ては生理用下着まで、色々買い揃えた。


「マリア、これを預ける。マジックバッグだ。クローゼットサイズで、時間停止はない」

「いけませんご主人様。そんな高価な品物を奴隷に持たせるなんて!」

「食料や水を入れておけ。生活必需品もな」


かなり強引に持たせた。

俺は<時空魔法>の<アイテムボックス>で<インベントリ>を誤魔化せるので、問題ない。


因みに先日、魔法がlv10に上がった。毎日循環させている上に、途中からは循環速度を上げたのだ。伴って魔力も上がっているので、<アイテムボックス>には結構入る。

攻撃魔法の威力も上がっているだろうが、確認してない。場合によっては、威力を落とす練習が必要かもしれない。

なんせ、人類が至ったことのないレベルなのだから。


数日後、オークの討伐の依頼を受けて、北の森に向かった。

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