第2話 少し変わったいつもと変わらない食事
どうも、昨日の集会から帰って朝になりました。
特に変わった事も無くただゴロゴロとしています、しかしお腹が空いてきました。
なのでこの仮の寝床がある人間の住処へ入ってみる事にします、こういう人間がいっぱい出入りしている寝床は入っても駄目なら持ち上げられて外へ出されるだけだから別に不安はない。
私がしれっと中へ入ろうとした時背後からそっと持ち上げられた、若い人の女かと顔を見れば昨日集会であったボスであった。
「やぁやぁ新顔君どうしたのかな?」
ボスは昨日の人間の服とは違い何かの動物の革でできた服を着ていた、そしてよく見るとボスの後ろには大きな二足歩行の豚が私をジロジロ見ている。
「いやぁお腹が空いたので食べ物を貰いに来ました」
「あらそうなの?じゃあ一緒に行こっか」
抱かれたまま建物の中へ入る、今回のボスは大きいけどとても優しい。
[ミーナその猫知り合いか?]
[そうよアル、うちの縄張りに越してきた新顔君よ。
はぁこの街で猫人族が私しかいないからってこんな野良猫達の管理をしろって… 役人の考えはよくわかんないわぁ]
先ほどからボスは豚と何か話している、しかし何を言っているのか解らない、やはり二足歩行する者は皆人間の言葉を話すのか。
[けどそれなりに金は貰ってるんだろ? 俺ら冒険者じゃあ稼げない程の金をな!]
[んもぅ! 何回言えば理解するのよ!! そんなにお金貰ってるんだったとっくにこんな仕事してないわよ!]
[ハハハハッ! ちげぇねぇ!]
とても楽しそうに話してるな、この街は人間以外も皆こうなのだろうか。
「あぁ新顔君、自己紹介まだだったわね。
私の名前はミーナよ! よろしくね」
「はい、私の名前は… トラ、トラと申します!よろしくです」
「トラ君ねぇ、覚えたわ、よしよしぃ」
あぁ、人間のおばあちゃんに撫でられた時みたいにとても気持ちがいい撫で方をする、流石ボスだ俺達猫の事をよくわかっている。
自己紹介も済んだところで人間の女の前に止まった、ボスはその女と話している、今日のターゲットはこの女なのか?
[すみません食事を取りたいのですが]
[どうぞ! 奥のテーブルでお待ちください、いつもので構いませんか?]
[ええ]
[俺もいつものだ!]
うーむ私も人の言葉を話せたらどれだけ楽だろうか、話せたら撫でられる事も減るだろうに。
ボスと豚と私がテーブルに着くと先ほどの人間とは違う人間が食料を持ってやって来た、やはりボスなだけあって旨そうな肉を貰っている、しかし豚も同じものだ、解せぬ。
「はいトラ君はこれね」
ボスはそう言って自分の貰ったものを俺に分けてくれた、旨そうな肉だ。
うむ、旨い、しかし前に人間からもらった肉より柔らかいな、あの肉の名前は名だっけか…
そんなこんなで食べ終えると眠くなってきた、やはり腹が膨れた後は寝るに限る。
ボスはまだ食べているし少しぐらい寝ても――― 大丈夫k―――
―――――――
はっ! いかんいかん寝すぎてしまった… ここどこだ?
辺りを見渡しても見た事が無い景色だ、しかし臭いで解る、ここはボスと入った場所の何処かだ。
[起きたのか、良く寝れたかのぉ]
声がする方を見ると年老いた大きな鳥がこちらを見ている、なんだこいつ人間の手が生えてるぞ。
[ほっほっほやはり猫はいいのぉ]
何を言ってるかさっぱりわからんが抱き上げられたのでされるがまま身を任せることに、すると外を眺めることが出来る場所へ置かれた。
[どうじゃ猫ちゃん、この街を一望できる場所じゃぞ]
うむ悪くない、ここはいい所だ。
[はぁ、他の猫ちゃんもおぬしみたいに懐いてくれたらいいのじゃが]
飯も悪くないし変な事する子供もいない、しばらくはここで厄介になるか。
[ギルド長権限でミーナに指示を出してみるかの… いやそれは職権乱用かのぉ]
そうと決まればこの鳥のじじいに甘えるか、多分いつも通りおちるだろう。
[おぉなんじゃ猫ちゃん、ワシの事が気に入ったのかい?
いやぁかわいいのぉ、ほっほっほっ!]
足に体を擦り付けてわかった、このじじい足も人間の足だ、気持ちわりぃ。
[どうじゃ? うちの子にならんか? かわいがってやるぞ?]
また持ち上げられた、おぉ今度は抱きしめてきやがった… 何だこの匂い、このじじい旨そうな匂いがする。
[そうじゃミーナが帰ってきたら通訳を頼むとしよう、そうと決まれば受付のねえちゃんに言いに行かねば]
あ、またさっきの場所に降ろされた、じじいはどっか行くみたいだし私はここでゴロゴロしとこうかな、いやぁポカポカして気持ちがいい。
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