右手を伸ばしてリスク管理

 横断歩道や駅のホームでは一番前に立たない。


 もし車が突っ込んできたり、誰かから押されたりしたら不運にも事故ってしまうからだ。


 生牡蠣や生肉は食べない。


 食中毒が怖すぎる。数日トイレに籠るはめになる。


 誰かと親密にならない。


 気を使うのは疲れる。恋人ならなおのことだ。


 でも一人でいるのは、何か違う。


 けして寂しいわけではない。だが、喜びを分かち合う人が欲しい。


 僕のリスク管理は、きっとリスクの意味を分かってない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る