序盤の下手さに悩んだ結果


 お久しぶりです星浦です。


 前回の内容で新たな目標を立てたつもりになっていたんですが、どうも具体的な内容とは言い難く、次の作品に取り掛かる前により良い目標は無いかと考えた結果、私に足りなかったモノがまた見えてきたので書いておこうと思います。


 その前に、私の活動について補足を。


 私という物書きは、そもそもこの表題になっているように〝この世でもっとも面白いモノ〟を書きたいと願っていました。

 それっていうのは、私が〝面白い〟物語が好きで、私の最も好きな作家さんが新作を発表されなくなってしまって、ならば自分で書いてしまえば良いという安易な考え方から始まっています。


 私はその想いに至ってから、何作かの長編を書きました。


 私が最初に書いた長編は『コネクトシステム』という作品で、これは私の思う面白さを詰め込んだ作品です。『コネクトシステム』は結果的に面白い作品が書けたと自分では思っていますが、残念ながら公募に耐えうるような作品ではありませんでした。私の書きたい物語は、私の技量や公募で求められるページ数では書ききれる存在じゃなかったんですよね。


 その次に私が考えたのは、自分の技量と公募の応募ページ数に似合う作品を書くことでした。

 それを目指して書いたのが『魔法少女マジカル☆きらりん始めました』です。文量を鑑みるために世界規模の設定を辞め、主人公も普通の高校生にすることで私の技術力をカバーしようとしたんですね。

 ここでも一応の目標は達成したと思います。

 クライマックスの盛り上がりは私の書いた作品でも一番だと言っても良いぐらいで、私はこれ以上の盛り上がりをもしかしたらこれから書けないかも知れないと思うほどです。

 しかし、この物語はどうしても序盤が弱いことに気づきました。

 序盤のインパクトに加えて、どうしても読みにくい説明がまだまだ多かったんですよね。


 続いて、私はそれを解消するために『異世界で俺は神になる!』を書きました。

 この作品は異世界転生モノのお約束である転生によって、序盤のインパクトの無さを解消し、昨今のライトノベルに必要な〝一巻分のオチとは別に続巻へと続くための長期的なオチ〟も用意することができるという意図で書き始めました。

 とりあえず書き終えた感想としては、それなりに読みやすくて面白い作品が書けたと思います。


 さて、私は異世界転生のプロットを借りたことである程度の面白さの作品が書けたと思ったわけですが、まだまだ周りの異世界転生モノに比べると、読みやすさや導入は弱いようだと思いました。タイトルが弱いというのは重々承知していたわけですが、自分で思うよりもまるで伸びないし評価もあまりされていないようで大汗


 そこで次に掲げた目標は、序盤の面白さについて学ぶことでした。

 そこで思いついたのが〝読みやすさ〟と〝楽しさ〟と〝変化〟です。意図的に文章を魅力よりも読みやすさにシフトし、楽しいと思われる要素を含ませ、一ページに一回は何かしらの〝変化〟を書き込むようにしました(変化は例えば誰かの考え方の変化であったり、状況の変化です)

 これらっていうのはそれなりに効果がある方法でした。

 私は序盤が弱い作風だというのを承知していたために、序盤を読みやすさや楽しさによってカバーし、中盤はキャラクターの魅力に繋げて、終盤を物語の面白さで止めを刺すという方法をとったんですよね。


 まだこの方法で書いた『視えるヒトが視るモノは』は公募に送っていないために、どれだけの力を備えているのか分からなかったりするのですが、自分の中で、すでに物足りなさを感じています。

 何といえば良いのか、『視えるヒトが視るモノは』は、楽しさを突き詰めて書こうと考えた作品であって、楽しさ自体はちゃんと表現できているのですが、どうしても薄い、一辺倒な感じがしたんですよね。

 楽しさを続けるというのも、どうしても芸がない感じがしたんです。


 そこで、それを解決するためにどうすれば良いのかと二週間ほど悩んだ結果、ようやく思いつきました。


 私が次に取るべき目標はずばり〝続きが気になる作品を書く〟こと。


 これっていうのは、私にとって盲点でした。

 私はそもそも〝面白い作品=続きが気になる作品〟だとは考えていなかったんですよね。

 私が最も好きで面白いと思う作品は『イリヤの空』というライトノベルなのですが、この作品って言うのは、人によってラストが無ければ駄作に成り得る作品なんです。古い作品という事もあって、読みやすさもそれなりですし、読書初心者には読破するのが辛い系統のライトノベルだと思いますが――そのラストは私が知っているどんな作品よりも感動的で、面白い。


 私の目指すべきところはそこにあると、私は今まで思っていたんです。


 しかし、『イリヤの空』は今となっては隠れた名作レベルであって、ライトノベルで最も素晴らしく有名とは言い難い作品なのは事実です。『イリヤの空』の弱点はまさにそこで、〝続きが気になる作品〟では無いんですよね。


 そして、〝続きが気になる作品〟を目指すということが、どれだけ凄いことなのかに気づいた訳です。


 例えば〝楽しい作品〟があったとしましょう。


 同じ楽しさを続けることで、それは良作に成り得る可能性がありますが〝続きが気になる作品〟には成り得ません。楽しいを続けるだけでは同じ展開に読者は飽きるであろうからです。つまり、もし〝楽しさ〟を主軸に据える物語であっても、あの手この手での〝新たな方面の楽しさ〟というのを読者に提示し続けて、ようやく〝続きが気になる作品〟へとなれるのです。


 何が言いたいのか、薄々感づいて頂けたでしょうか?


 もし〝面白い作品〟があったとしても〝面白いだけ〟の作品は〝続きが気になる作品〟ではないのです。


 つまり〝続きが気になる作品〟というのは、面白さの上位互換である。

〝続きが気になる〟というのは、読みやすく、魅力的であり、面白く、楽しく、意外性があり、好意的であり、世界観が優れていて、登場人物が優れていて、良いテンポでテコ入れが入る。それは物語の展開や文体も含み、良い要素を全て含む創作物とっての到達点である可能性すらある言葉である。


 私は今まで、一生、『イリヤの空』を超える作品を書けないだろうと思っていました。

 なぜなら、私は面白さを求めていて、私が出会った作品の中で『イリヤの空』は最高に面白い作品だったからです。

 しかし、面白い作品である『イリヤの空』を超えるモノが、この理論を使えば私にも書ける可能性がようやく生まれたのです。


 すごい。

 ヤバイ。

 ヤバくない?笑


 序盤で悩みを持つ私が目指すべき作品は〝面白い作品〟でありながら〝続きが気になる作品〟だったのだ。


 ……しかし、私は〝続きが気になる作品〟に必要な要素というモノの研究がまるでできていません。私はこれまでずっと〝面白い〟要素を探っているだけだったからです。なんてこった。私はすごい伸びしろのある場所を見つけてしまった。


 こういうことがあるから、創作を考えることが私は好きなんですよね笑


 ああ、楽しくなってきましたよ!?笑


 ……それにしても、今回は本当に自分語りのようになってすみません大汗

 皆さまも執筆活動頑張ってさいね!

 皆さまの執筆活動が豊かでありますように。


 今回もお読みいただいてありがとうございました!

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