序盤の面白さを探るヒント


 こんにちは星浦です。


 この前の連休中に物語を書き終わって、ただ今、別のプロットを考えているわけですが、とりあえず文章が書きたいなぁと思って、連日にはなりますが創作論の続きを書くことにしました。


 さて、まず序盤の面白さを話す前に、その下準備として〝面白さ〟と〝楽しい〟は別の要素だという話をしようと思います。


 ちなみに〝好き〟というのも別基準の要素――というか、〝好き〟とは〝面白い〟と〝楽しい〟などの要素をまるまる掛け合わせた、もう一つ上の概念だと思っていますが、少し話が逸れるので、その話は辞めておきますね汗


 さて、〝面白さ〟と〝楽しさ〟の違いが顕著なのはアニメ業界でしょうか。


 この〝楽しい〟系のアニメが流行りだした先駆けは『けいおん!』だったのように思います。


 その後、『きんいろモザイク』とか『ごちうさ』とかが流行って、アニメはつまらなくなったと嘆く人が増えましたよね。


 ただの消費者としてなら、その感想で別に問題は無いのですが、もしもあなたが物語の創作者であるなら、この違和感をもっとしっかりと考察するべきです。


 そもそも、この『きんいろモザイク』や『ごちうさ』というのは、面白い作品であろうとして作られた作品ではないと私は思うからです。


 これらの作品は、登場人物の魅力や状況などの表面的な魅力を押し出し、視聴者に〝楽しさ〟を与えるために特化された作品群なんですよね。


 その少し前に流行った〝面白い〟系のアニメに『涼宮ハルヒの憂鬱』がありますが、この『涼宮ハルヒの憂鬱』も〝面白い〟と〝楽しい〟を盛り込んだ作品です。あの比率が時代にドンピシャだったからこそ、『涼宮ハルヒの憂鬱』はこれほどまでに流行ったんだと私は思っています。


 そして、これらを作品に盛り込むことは、近年のライトノベルやなろう作品を書くためには必要不可欠なほどに大きな要因になりつつあります。(私は苦手ですが、これからもっと取り入れていこうと考えています汗


 この〝楽しい〟というのは〝面白い〟よりも速効性の高い魅力です。


 例え話をするならば、『まどか☆マギカ』はとても面白い作品です。


 私は『まどか☆マギカ』が今のところ一番面白いアニメ作品だと思っていますが、その一話だけで戦うとするなら――『きんいろモザイク』や『ごちうさ』の一話には到底敵わないでしょう。


 これは当たり前の話であったりするのですが、ストーリーとしての〝面白い〟というのは、どうしても世界観や主人公の抱える事件などが進展することで初めて効力を持つ要素であり〝可愛い女の子が和気あいあいとする〟という要素よりも遥かに足が遅い。


 グラフでも表示できれば分かりやすいんですが、ストーリーモノの弱点は、その足の遅さにあります。


 これっていうのは小説業界においてはかなり致命的な弱点で、他の娯楽媒体が溢れる近年において、面白さの提示が遅い小説から若者が離れている現状を創り出している要因でもあるように思います。(面白さと、そこに向かうまでの労力(読書するという苦痛)が他の媒体に比べて割にあっていないんですよね。


 娯楽の少なかった昔と違い、10秒で笑えるツイッターや短い動画に小説で勝つというのは並大抵のことではありません。


 ……さて、ここで少し話が変わるのですが、若者に唯一受け入れられている〝なろう〟という媒体が小説界隈には存在します。


 これの正体も、私は恐らく、出オチの設定や、ストレスフリーによる〝楽しさ〟に特化することで得られた人気なのではないかと思っているんですよね。


 ここにこそ、必ず現状よりも素晴らしい作品を書くヒントがあるはずです。


 小説において、序盤で面白さを提示するというのは非常に難しいですが、この一つの答えが――その場面だけの気を惹く〝楽しさ〟です。


 それは例えば、〝可愛い女の子がわいわいしていること〟だったり〝死んでチート能力で異世界転生すること〟だったりするんだと思います。


 この要素に対し、オリジナリティを持ちつつ提示することができる作品が創り出せれば、それは時代を動かすほどにヒットする可能性があるのではないかと私は思います。


   ***


 自分語りみたいになりますが、私の今の目標は〝面白さと、そこに向かうまでの労力(読書するという苦痛)が割にあう作品を作ること〟です。


 私は中盤から終盤にかけて、キャラクターの魅力とシナリオのオチによる面白さにはそれなりに自信があるのですが、その前段階の序盤を書くのが苦手だったりします。


 その答えとして上記のようなことを試そうとしているのですが――この内容は皆さんの役に立ちそうでしょうか?汗


 また具体的な創作論でなくてすみません汗


 しかし、この〝楽しい〟という要素を小説に盛り込むというのも一つの答えですし、できるだけ広い視野を持って、貪欲にいろいろな作品としての魅力を探っていくのは大切なんじゃないかと思う今日この頃なのでした。

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