『君の名は』を見て思う事(追記版)
こんにちは。
星浦です!
今日は手抜きになって悪いのですが、以前、近況ノートに書いた内容を付け加えて――『君の名は』の素晴らしい所について書いて行こうと思います。
さて『君の名は』は大ヒットしたアニメ映画です。
私は『君の名は』も結構好きで……劇場で見たのも合わせると累計で10回ぐらいは観たんじゃないかなぁと思います。
『君の名は』は面白いですよ。
ここから先の書き込みは、ネタバレががっつり含まれます。
『君の名は』を観たことのない方はこれより下は読まないで下さいね。
***
『君の名は』には様々な魅力がありますね。
新海誠の美しい背景描写や映像美、主題歌を筆頭にした美しい音響関係や、一般層を狙い撃ちにした青春物語というジャンルの受けの良さなど、語るには多くの良い要素があります。
ここではその多くの要素には目を瞑りまして――『君の名は』のプロットで最も輝いている部分はどこなのか? について話したいと思います。
『君の名は』を一言で言い表すのであれば、それは〝新しい〟という言葉でしょう。
そして、どこがプロット的に新しかったのかと言えば、
この物語が〝入れ替わり〟を隠れ蓑にした〝時間移動〟の物語だったことです。
わざわざ言われなくてもわかる?
そうですよね。
しかし、そこにこそ『君の名は』の凄さが凝縮されているのです。
さて、物語において〝入れ替わり〟と〝時間移動〟というのは、本来であれば〝在り来たり〟であり〝使い古された〟手法であったりします。
この二つの要素っていうのは魅力的な設定だからこそ、使い古されたネタだったんですよね。
しかし、この二つが組み合わさった本作は――非常に〝新しく面白い〟
この発想の転換こそが、『君の名は』の軸であり、最大の面白さなのは間違いありません。
この物語は〝使い古された魅力的なネタ〟を組み合わせることにより〝新しく斬新なネタ〟に昇華させているのです。
これ……マジでセコいと思う反面、物凄い勉強になります。
新しいとは、古いモノからでも作り出せる。
ピカソの名言に〝優秀な芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む〟という言葉があります。
模倣と盗みの違いは何なのか?
それは今までにあったモノを組み合わせ、そこに新たな価値を見出せること、なんですよね。
それを実例をもって見せてくれたのが『君の名は』なのではないかと、私は思うわけです。
***
近況ノートに以前書いた内容は上記のようなものだったのですが、手抜きすぎるため『君の名は』についての素晴らしいところを、もう一つ書いておきますね笑
『君の名は』で主人公たちが入れ替わり、時間移動をした理由は、全て〝結び様〟によって起きています。
これって、けっこうご都合主義で『君の名は』で叩かれることが多い場所なのをご存知でしょうか?
しかし、よく考えてみて下さい。
この『君の名は』という作品は結果から見て、とてつもなく大流行した一般向けのアニメです。この『君の名は』って奴は、そもそも、SFアニメが大好きな私のような層に向けたアニメではないんですよね。
こういった事を〝想定読者の違い〟と言ったりしますが(今回は読者じゃないですけけど汗)これこそが、『君の名は』での〝結び様〟の役割なのです。
改めて考えてみて下さい。
大多数の一般人が、転移して時間移動する理由についての納得する説明を、何十分もかけて劇場で観たいと思うと思いますか?
この〝結び様〟の存在と言うのは、わざと必要な説明を削り、シンプルにしてテンポをよくするための――いわば、面白さのための技術ではなく、売るための技術です。
(読みやすさも面白さの一つだと定義するなら、これも面白さのための技術ではあるんですけどね)
私は売るために執筆活動をしていませんが、これって実は凄いことなんですよね。
最近の〝なろう〟のストレスフリーな構造も、この売るための技術だと私は思っています。
私はあまり〝売るため〟の作品作りをしていませんが――手っ取り早く評価されたい方は、こういった要素を取り入れるのは正しい判断だと思いますし、そういった方面に考察していくべきなんでしょうね。
今回も少し長くなりましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございます!
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