プロットのプロットを作る


 小説の世界には、売れっ子と言われる作家さんがたくさんいらっしゃいます。


 私が一番小説を読んでいた頃であれば、東野圭吾とか宮部みゆきとか、伊坂幸太郎なんて人の小説がたくさん本屋に並んでおり、私はそういった作家さんの本も同じ作者の本を5冊とか6冊とか読みました。個人的に米澤穂信にハマって、米澤穂信の本だけでも10冊以上は読んだと思います(話がそれる自分語りはこれぐらいにしときますね大汗


 しかし、その一方で、出版業界って奴は、プロとして本を出したものの、そのまま続巻へと続かない人たちが数えきれないぐらいいたりします。


 プロの小説家の大半が、コンスタントに本を出せず、そのまま消えていくことが多いのです。


 これは新人賞を取った人にも多いですが、ネットで本を出した方にも言えることかと思います。


 さて、そこに理由があるのであれば何なのか?


 運や実力が足りない、というのも答えだとは思いますが、それ以上に根本的な答えとして、ずばり〝前よりも面白い話が書けていないから〟というのが現実だと思われます。


 自分が以前に書いた本よりも〝面白い本〟が書けない。


 だから、さらに本にならないし、さらに売れない。


 これは当たり前の話ではあったりしますが、もしも、あなたがプロを目指しているのであれば、自分が以前書いた本よりもさらに〝面白い話〟を書くというのは必須条件だと言えるでしょう。


 プロとは金を稼ぐということであり、金をコンスタントに稼ぐためには、コンスタントに面白い話を創り出し、売っていかなければならない。

 

 はっきりいうと、5年前や10年前の本であっても、未だに面白いと感じる本はこの世界に腐るほど存在しています。本屋に平済みにされているのは、未だに昔に売れた名作が多かったりします。


 すでに面白い本に溢れて飽和し煮詰り、さらに若者は本を買うことが少ない現状。


 読者の総数を失いつつあり、さらに過激な競争にある世界で活躍して、ようやくプロとして生きていけることになるんですよね。


 プロとして生きていくのであれば、プロレベルの話では力不足です。


 プロとして生きていくのであれば、プロよりも面白い話を書かなければならない。


 非常に難しそうですね。


 私は弱い人間で、口が裂けてもプロになることが目標にはできないと思います。プロを本気で目指したとして、私は最後には潰れてしまう気がします。だから、本気でプロを目指している方を尊敬してもおります。


 ……話がそれてしまって申し訳ありません大汗


 話を元の流れに戻そうと思うのですが、私が言いたいのは〝今よりもさらに面白い話を作っていく力〟が、小説を書くことにおいては非常に大切だということです。


 では、どうすれば、今よりも面白い話を作ることができるのか?


 さて、これは私にとっては簡単です。


 長編を書いて、書き終わった後に、自分の作品を考察します。


 自分の作品を考察することは、名作を考察するよりも、はるかに自分の力になります。


 ここがダメで、ここが良い。ここが自分の武器だと気づけば、それを一撃必殺の武器にまで研ぎ澄まさせる。逆に、プロには程遠い赤点の部分を否定し、どうすれば直せるかを模索していく。


 そこで得た経験を、次の作品に活かすのです。

 

 最初に話した〝上手くなる方法〟を、プロットに絡めて具体的に挑戦します。


 そうすることで、確実に、以前よりも〝面白い話〟が書けると私は信じています。


 つまるところ何が言いたいかと言うと、プロットを作る段階で、プロット自体の面白さを、長編を書き終えるごとにアップデートしていくのです。これによって、自分の感じる面白い物語の要素を詰め込んだプロットが出来上がります。


 これをまとめて、私はプロットのプロットを作る、と考えています。


 私は面白い物語にプロット自体は必須ではないと思っています。


 しかし、プロットをさらに面白くするために、プロットの雛型、というものは作るべき必須のものだと思います。


 プロットの雛型をどれだけ素晴らしいモノにできるか、というのが、作家の実力のひとつではないかと、私は思います。

 

 例えば、これによって次に書く話でも、面白さの再現が可能となり、それを超える可能性も出てきます。


 仮に新作を書いて面白くなかったとしても、その経験が、その次の作品には必ず生かされるというか、生かすことが大切ですね。


 面白さの再現が可能であり、さらに超えていく話を書くことができるのであれば、プロになってからも活躍する可能性はあるんじゃないかと、素人考えですが思うわけです。

 

 降って沸いたアイデアというのも確かに価値のあるものであるのは疑いようがありません。しかし、ここに運だけではなく、再現可能な面白さを盛り込むことで、ようやくプロよりも面白い話が書ける道が見えてくるのではないかと私は思っております。

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