雨と日照りの対岸
日々人
雨と日照りの対岸
二日ぶりに、当番の朝がやってきた。
相変わらず雨は止まず、風も
身に着けていた
この村の先にある崖を
真ん中にある、
はぁはぁ、と白い息を吐きながら、弱弱しい
雨が降り続けて、十二日目の朝を迎えたのだった。
かじかんだ両手を擦り合わせる。
しかし、
降り続く連日の雨、雨雲に
残された期限はもう、一日しかない。
どうか雨よ、どうか降り止んではくれまいか。
崖の上にかかっていた橋は、五日前までは強い雨にうたれながらも
しばらくはもう、向こう側の村には行けそうにない。
向こうの村にも、似たような高台がある。
彼女はどんな思いだろうか。
橋が、村と村を引き裂いてからは会話を交わせていない。
手紙を
向こう岸まで飛ばせる
この二つの村は昔、対立していた。
その何十年も前の、先人たちの
長きに渡って停戦していたが、もうその終わりが
「日照りが十三日間続けば戦を取りやめ、雨が十三日間降り続いたならば戦を再開する」
くだらない。
向こう岸にある高台から、彼女が顔を覗かせる。
その手に持っていた
くだらない。
彼女に向かって両腕を大きく広げてみせる。
ここだ。
彼女が体を
わたしは
笑顔でも浮かべてくれただろうか。
私が倒れた
くだらない。
ああ。
天のかみさまよ。
おねがいがある。
わたしはこのようなことを、この先の世も続けていきたいのだ。
風が弱まった。
まだ雨は止まない。
雨と日照りの対岸 日々人 @fudepen
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