第四段階

彼女は私の前で息絶えていた。

赤く染まった彼女は、あの日見た夕焼けとそっくりだった。私は彼女と共にゆうやけこやけを口ずさむ。彼女の歌声が止まなかった。ようやく冷凍庫に入れられたようだ。ずっとふたりで歌っていると、そのうちファンファーレが聞こえてきた。どうやら私たちの結婚を祝っているらしい。赤いシャッターが何度も点滅する。彼女は相変わらず無邪気な笑みを浮かべている。それ以上でもそれ以下でもない。ただそこには私にとって幸せな空間が広がっていた。


最後の晩餐は、飴玉だった。口の中で転がしながら花の冠に首を通す。空には多くの羊が漂っていた。ピンク色の羊が私を殺せと私に命じる。頬を伝うものは夕日のせいで焼かれてしまった。もう何も流れてこない。ここが水浸しになることも、魚に邪魔されることもないだろう。

私は彼女の元へスキップした。




意識が無くなり、全身が痙攣する。呼吸が止まり、心臓が止まる。

魚が哀れな目で二人を見ていた。

溶けきれなかった飴玉がひとつ、床に転がっている。

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C11H17N3O8 ぬゆふ @nuyuhu

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