第三段階
街のネオンに同性愛者を見かけた。
ネットの海で同性愛者を見かけた。
テレビの中の同性愛者を見かけた。
気持ち悪かった。みんな自分が同性愛者だと公言していた。気持ち悪かった。他人から虐げられてもいいと言った。気持ち悪かった。カメラの前でキスをしていた。気持ち悪かった。手を繋いでいた。気持ち悪かった。目を合わせていた。気持ち悪かった。
彼女は彼氏と別れたらしい。
彼女が彼氏を振ったらしい。彼女に理由を聞くと、どうしても口ごもってしまう。何か嫌な思いでもさせられたのだろうか。殺してやろうかと思っていたが、彼女がくれたキャンディーに心が洗われる。それを口に入れた時、彼女はボソリとこう言った。
「本当は君が好きなんだよね...」
全身が痺れるようだった。それに加えて痙攣しているようでもあった。ありえない現実と、自分が嫌ったそれとに挟まれて、死にそうだった。息が全くできない。
私は同性愛者である。
しかし同性愛者は嫌いである。
なぜか、簡単だ。私が私を嫌う最大の理由がここだからである。私が私を殺したいように、私は彼ら彼女らを殺したい。
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