第8話 青木雄二 ナニワ金融道のこと

 読書感想文を親子で往復書簡で、などと言いながら始まったこの企画ですが、もはやお互いに「ま、いっか」って感じでそれぞれのペースになっているという。


 という事で、今回は「ナニワ金融道」。この作品は、講談社漫画文庫にて全10巻完結なのですが、その後、青木雄二プロダクションにて続編等が出ています。

 なにしろ、登場人物一人ひとりのキャラが濃いというか、主人公である灰原達之以外の人々がどれも凄まじい。むしろ、主人公は「普通」というか、顔つきも大人しい印象。そんな、20代後半で失業した青年が、金貸しになるお話です。

 金貸し、といっても暴力描写は最低限。むしろ、借りる人間の浅ましさを中心に話が展開する、というのが、本作の特徴だと思います。とにかく、人間の浅ましい部分がこれでもかと描かれている。だけど、「ナニワ」らしいユーモアで、読み進めるのが苦痛ではない。美麗な絵柄で無いところも、内容に合っていると思います。唯一無二の作品です。


 さて、一時期儲かっていたんじゃないですかね、街金。今は、銀行とくっついちゃってますけど。消費者金融から借りた人のひっ迫が社会問題になったあたりから「過払い請求」を善意の弁護士が始めて、今では借りる人間は随分守られるようになったんだとは思います。私の若い頃の話ですが、銀行2社からそれぞれ満額(一社50万)借りて、さらに街金に手を出した時期がありまして。まず、20万必要だとすると、そっから「手数料」が目の前でさっ引かれるのですよ、借りた額の一割。だから、必要な金額プラス、というのを借りないといけないのです。で、毎月、普通の利息も払うのですよ。まあ、アホな話なんだけど、溺れる者は藁をもつかむ、っていう。

 金の話し始めたら明後日になってしまうので、今回はここでお開きとします。

ちゃんちゃん!

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