第8話「相対する敵」
左通路、真也、桜咲組が進み切ったその先にはさらに広い体育館程の空間が現れた。
コンテナや荷物が多数置かれている上に座り煙草を吹かす男がいた。
「ん?ん~?」と言うとコンテナから降り、振り返る。
身軽そうなTシャツにジーパン姿の男。
腰には何かが入っているベルトポーチ。
ひょろひょろした体に蛇のように身がゾッと寒くなるような瞳。
「あ~君たちが~ここに来た侵入しゃかい~~シャシャシャ~」
不気味にも特徴的な笑い声を出し楽しそうにリズムよく歩いた時、彼はいつの間にか持っていたナイフを桜咲に向かって投げつけてきた。
あ...
桜咲が直感的に思った。
これは避けられないや...まずい...
しかし、次の瞬間に見えたものは真也の背中だった。
カァアンと鈍い音と共にナイフが落ちる。
「おい...何してるんだ。」
その先ほどまでとは思えないほどの低温の声と少し荒っぽさが混じった声からは警告と言わんばかり怒りが見える。
「シャシャ~流石が~これじゃあ守られちまうか~」
男は陽気にふざけているのかゆらゆらと揺れて話す。
「全く、ふざけた男だ...」
右通路、橙夏も真也達が部屋に着くのと同時に別の倉庫らしき部屋についていた。
そこに入るやいなや、2メートル近くはあるだろう男が橙夏に向かい大きな鎚を頭から叩きつけようと振り下ろす。
「ッツ!!」
とっさに横へ転がり避ける。
一回転の後に両手で即座に立ち上がる。
「...ずいぶんな迎えだな。」
大男は鎚を構え直し大声で話す。
「ここからは、通さぁん!!」
「ストレートな奴だな...良いだろう私もそちらの方がやりやすい!」
橙夏は武器を構え目の前の大男と対峙する
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