第5話 文法の事 ⑸

 それでは

(を が は に の も や へ と)など1音の機能語の 働き 機能 を 一般的にとらえようとする試み を つづけることにしましょう。

 さきに示したように(を)の働きはわかっていますからここで(を)と(や)の違いを対比して考察してみます。

 まず主語を(わたし)にして比べると

 わたし を どうする

 わたし や あなた や

 なにも意識しないで自然な言葉の使い方として思い浮かぶのはこんなところです。

 その性質が同じように主語を指し示す感覚に由来していると思いますが 指し示す強さは強いのですが(や)はたん主語を指すだけです。

(を)も(や)も指し示す感覚の強さはともに強いのですが その性質の違いはどこからくるのかを分析すると

(を)は主語(わたし)にたいして主語に直接触れてそのうちがわ内面に押し込むような指し示す感覚をつよく感じ

(や)は主語にたいして離れたところからたんに指し示す感覚が強いとゆうことがわかりました。

 主語に直接触れてそのうちがわ内面に押し込むような指し示す感覚 と 離れたところからたんに指し示す感覚の違いとゆう観点で残りの機能語を調べた結論からいうと

 主語に直接触れてそのうちがわ内面に押し込むような指し示す感覚の強さ強弱の度合いの関係は(を>が>は>に>の>も)の順序になり

 離れたところからたんに指し示す感覚の強弱の順序は

(や>へ>と)であるとわかりりました。

(を)と(は)は すでにそのはたらきがわかっていますから 強弱の度合いがその間にある(が)に ついて考察してみましょう。

 わたし が なにする

 することを意識していて自然な結びつき

 わたし は なにする

 することを意識せず不自然

 わたし を なにする

 いみがとうらず成り立っていない

 うえの関係からまず(は)について一般的にとらえなおし(が)との違いを明確にすることにします。

(は)の 主語を指し示す感覚の度合いは主語にかるく触れるくらいのつよさで(は)の 性質 働き の相として発現している感じで その働きを一般的に示すと

 主語にたいして等値の述語を結ぶといったところでしょう。

(と)については あとで扱っているのですが ここで さきに(は)の等値と(と)の並列の違いについての説明をすることにします。

 わたしはわたし

 わたしとあなた

(と)はときにはひとしい関係をおもわせることがありますがその本性は並列にしめしているだけでしょう。

 また数学で分数をいうとき

 1と1/2

 いち と にぶん の いち のようにいいますが1に1/2をくわえるとゆういみあいはなく1と1/2を並列にならべてしめしているだけです。

 つぎに(が)について

(が)の主語を指し示す感覚は(を)より(は)に寄っていて(は)よりすこし強く主語の内側へ押す感覚で(は)との性質 働き 相 の微妙な違いが発現しているといえるでしょう。

 よくきく説として(は)より(が)は感情表現に使われるとゆうことも 主語を指し示す感覚が(は)より すこし強いところからきているとおもいます。

(に)に ついて は(に)と(へ)の性質の違いを比較しながら解説したいとおもいます。

(に)の主語を指し示す感覚の強さは主語の直近近傍あるいは表面界面を指すといった感じで(へ)の離れたらところから主語を指す感覚の強さからくる相の変化としての性質働きすなわち主語を指し主語に向かうはたらきと同じ働きをすることがおおいです。

 わたし に しらせて

 わたし へ しらせて

 うえの例では感覚に微妙な違いがありますが意味はおなじです。

 しかしながら

(に)は(へ)の単純な働きとちがって

 わたし に ある性質

 わたし へ ある( は 成り立たない)

 主語にたいして その性質の意味をもつ述語 を 結ぶはたらきがあるようです。

(の)に ついて

(の)の主語を指す感覚の強さは(に)より すこし外側を指す感じで この度合いがもつ相は

 主語に付属する意味の言葉 を 述語として結びつけるはたらきとして現れているようです。

 わたし の もの

 わたし の て

 一般的な表現としてしめせば

 主語にたいし付属する ものごと(述語)を結ぶ とゆうことになります。

(も)について

(も)の 主語を指す感覚の強さは微妙で言葉で表現するのがなかなか難しいのですが(の)より弱いということは確かだとおもいます。

(の)からの類推からいえば おそらく(の)のすこし外側を指す感じとゆうところでしょう。

 その強度がもつ相は比較的わかりやすく

 わたし も いっしょ

 うえの例がすべて物語っていて 一般的な表現をすれば

 主語を関連付けるものごと(述語)を むすぶ。

 と なります。

(や へ と)も 比較的わかりやすく その働きを一般的な説明として示すと

(や)主語をただ強く指す

(へ)主語に向かう

(と)主語を並列で示す

 と なります。

 なお これまでの一般的な解説 は 主語を主部 述語を述部としてもなりたちます。

 いままでにわかったことを演繹的によりおおくの例で調べれば さらに明確になるとおもいますが いまはたちいらないことにします。

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