王子達と司書長 ユーエン目線
いつものように妹を図書館の入口に送っていく
「やあ、ユーエンおはよう」
第一王子で僕の親友であるディランダル王子の
「おい、ユーエン! 背後に
「もう!
できることなら見せたくないが挨拶させないわけにはいかないか。
「アルティナ、
僕の言葉にアルティナは
王子達が息を
「ああ、声を失ったという末の
ディランダル王子の言葉に、アルティナは頭を上げて作り笑いを
その時、弟王子達がアルティナの前に立った。
アルティナは
「アルティナ」
僕が声をかけると、背後からメモを僕の手に押しつけてくる。
文字を書くスピードが速くなっていると感心しながら目を走らせた。
『私のせいで
なるほど。
どう見ても
「ではディランダル様、妹を図書館に送り届けたら
僕が頭を下げてその場を立ち去ろうとすると、ライアス様に
「そう急がなくてもいいだろ、ユーエン。そうだ! お茶でもどうだ? 妹君も
「ライアス兄さん名案だね!」
二人が盛り上がるなか妹に視線を向けると、せつなげな表情であと少しでたどり着く図書館のドアを見つめていた。
アルティナはお茶ではなく図書館に行きたいのだ。
これはお断りしなくては。
そう決めた時、また声をかけられた。
「王子様方、ユーエン様、おはようございます。おや? アルティナ様もいらっしゃったのですね」
アルティナは声がした方を見るとぱ~っと明るい
「そういえばアルティナ様。この間おっしゃっていた料理長へのプレゼントの件ですが、自分なりに考えた結果、紅茶かハンドクリームが喜ばれるのではないかと」
この人物は確か図書館を取り仕切る司書長だったはずだが、こんなに
アルティナは僕から
「手作りですか? では必要な本を
司書長は気難しい人間のはずだが、いつの間に仲良くなったんだ?
「ユーエン様、よろしければアルティナ様を図書館までエスコートいたします」
アルティナを見ればメモ帳に『シジャル様とお友達になりました。ダメでしたか?』と書いて手渡してきた。
彼が下心を持っていないと思っているようだが、本当に信用できるのか?
「アルティナは司書長と友人だと言っていますが……」
「そうですね。お
アルティナの読書の
司書長に好感は持てど、好意まで持っているようには見えないから
「では司書長、くれぐれも友人の
「
それを聞いて、早めに護衛をつけるつもりだったが
「図書館内は死角も多いので女性の安全を第一に考えております。ご安心を」
「では、妹を
「お任せ下さい」
司書長はさりげなくアルティナに手を差し出した。
アルティナも
「おい! ユーエン! 妹を連れ
「そうだよ! 一緒にお茶したかったのに~」
ライアス様とファル様がブーブー言うなか、ディランダル様がクスクスと笑いながら言った。
「彼女、君達がグイグイ来るから
「そうですね。すでに地に落ちているかも知れませんが」
僕はいい笑顔を王子達に向けた。
「ああ、ちなみにアルティナは働き者の男性を好ましく思うようなので、働き者だと解れば好感度も上がるでしょう」
ライアス様とファル様は顔を見合わせると早足で自分の職場へと歩き出した。
「私の弟達は本当に
残されたディランダル様がクスクスと笑いながら言った。
「そうでしょうか?」
「そうだろ? ユーエンのいいように
「……僕には存在するだけで可愛い妹達がいますので」
ディランダル様はアハハハっと声を出して笑った。
「そうだね。君の妹達ほど可愛くはないね」
本気でツボに入ったようでディランダル王子がお
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