怖いのはお互い様

「ねえ、巴」


行為の後、横になっている巴に声をかけた。


「何?」


そう聞いてきた巴に、

「今さらだけど、安井くんの前で本当にキスする必要ってあった?」


私は聞き返した。


私の質問に巴は一瞬だけキョトンとしていたけど、

「あったに決まってるじゃん」

と、すぐに答えた。


「えっ、何で?」


それに対してさらに聞き返したら、

「女の嫉妬は怖いかも知れないけど、男の嫉妬も結構怖いんだよ?」


巴は私の頬に手を添えて答えた。


「し、嫉妬…?」


「そう、嫉妬。


だから、それの防止として彼の前でキスしたの」


何なんじゃそりゃ。


いろいろと追いつかない私は、バカなのだろうか?


「今のうちから彼に教えてあげた方がいいと思ったんだよ」


巴は言った。


「何を?」


何を安井くんに教えたと言うのだろうか?


そう思っていたら、

「未来の旦那様を怒らせたらどうなるかってことを、ね?」

と、巴は答えた。


「み、未来の旦那様…!?」


私の聞き間違いかと思ったけど、確かにそう聞こえた。


「めありは俺のだ、って言うことを教えてあげなきゃ…ね」


巴はチュッと私の唇にキスをした。


「――と、巴…!?」


「未来の旦那様を怒らせるとどうなるかってことを教えてあげないとね」


「えっ、なっ…!?」


巴が私におおいかぶさってきた。


もしかしなくても、巴は嫉妬しているのか?


「と、巴!」


「んっ?」


私は巴の首の後ろに両手をまわすと、

「巴が好きだよ」

と、言った。


「うん、俺もめありが好きだよ」


巴はそう返事をすると、私と唇を重ねてきた。


☆★END☆★

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

Mega Lover―女装男子はお好きですか?― 名古屋ゆりあ @yuriarhythm0214

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ