第30話 合宿・2

聡子が体操服に着替えました。


「ウチのアイデンティティーがなくなってもうた」

「千野先輩はどんな服を着てもかわいいですよ」

「お世辞はエエんや、待田君」

「いえ、本音です」

「うふふ、ありがとう」


団三の掛け声です。


「じゃあ、ラジオ体操始めまーす!」

「今どきラジオって・・・」


ナンシーのツッコミです。


「団三は実は健康マニアだからね。仕方ないわ」


陽華が諦めたようにため息をつきます。


「ひい、ひい。ラジオ体操ってこんなにハードやったんか?」


「千野先輩、体力無さすぎ!」

「ワタシは体力が余っている」

「千野先輩、お茶で回復したら?」

「そうさせてもらうわ」


聡子だけ小休止します。

そうこうしているうちに、ラジオ体操が終了。


「やっぱりウチの体力がアカンなー」

「千野先輩、自分が超回復するのは無理なんですか?」

「ウチ自身には筋肉ムキムキになる能力は効かへんのよ。純粋に回復するだけや」

「筋肉ムキムキ・・・」

「あ、ゴウリキさんが食いついた」

「あー、もうゴウリキはんの筋肉は限界値やと思うで。ウチのドーピングでも、もう筋肉はつかへんと思うわ」

「そう、残念」

「ドーピング・・・」

「ナンシーはんなら、まだまだ筋肉が上昇する余地がありそうやで。超回復に興味ある?」

「え、遠慮しておくわ」

「ちなみに、超回復で筋肉ムキムキになったのが俺です!」


力こぶを見せつける了。


「おお、凄い」


ゴウリキの反応です。


「苦労の連続だったぜ。あの苦痛の日々には戻りたくない・・・」

「な、何か悲惨な過去がありそうね」

「ドS先輩による、調教の賜物だからね」


「で?団三、次は何をするの?」


「柔軟、体操、準備運動、ストレッチ」

「いや、どんだけ念入りに準備運動するつもりだよ!?」


了のツッコミです。


「みんな健康を侮っている!柔軟をしっかりやっておかないと、大変なことになるよ!」

「まだ健康を気にする年齢じゃないと思うのだけれど・・・」

「あと1時間くらい準備運動に費やす予定だったけど」

「反対!」

「どんだけぇ~」


「じゃあ、柔軟だけやって準備運動は終了にしよう。みんなペアを組んで」

「男2人だけだから、俺と団三がペアになるしかないな」

「千野先輩、よろしく」

「よろしゅうな、陽華ちゃん」

「ワタシはナンシーさんとね」

「ゴウリキさん、筋肉が躍動している」


「了!筋肉は凄いけど身体が堅いぞ!」

「筋肉の限界が見えた」


「千野先輩も身体堅いです!」

「ああん、陽華ちゃんもっと優しくしてぇ!ウチの骨が折れてまう!」


「ゴウリキさん、身体柔らかい!」

「バレーボールには柔軟性が必要。しなやかさ、イコール強さ」


「みんな、もっとゴウリキさんを見習おう!」

「「「はーい」」」


そして、ペアが交代します。


「団三、まあまあやるな」

「健康マニアだからね」


「陽華ちゃんも身体堅いわよ!」

「千野先輩、もっと優しく!新しい性癖に目覚めそう!」


「アメリカの筋肉・・・。成長力を感じるわ。筋肉教に入信する気はない?」

「遠慮しておくわ」


「はいっ!これにて、準備運動終了です!」


「団三、約2名死にかけてるぞ」


「お茶会の出番や!」

「どうにもテンポが悪いなぁ」

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