第29話 合宿・1
かりきゅー部の合宿の始まりです。
「今日から学園に泊まり込んでの合宿だ!!!」
「団三、いつになくハイテンションね」
「ようやく部長らしいところが見せれるからね」
「今までの面目躍如ね」
かりきゅー部の部室前が合宿の待ち合わせ場所です。現在、団三と陽華の2人だけが早めに集合しています。
「おはようさん」
了がやって来ました。
「おはよう」
「2人はずいぶん早いんだな」
「ウキウキが止まらないんだ!」
「団三、なんかノリノリだな」
「ようやく部長らしいところを見せれるから、テンションが上がってるみたいなの」
「ああ、なるほど」
「おはよーさん。みんな早いんやなぁ」
聡子がやって来ました。いつもの着物姿に、ゴーグルと浮き輪を持っています。
「おはようございます!」
「千野先輩、そのゴーグルと浮き輪は?」
「え?合宿ってことは海やん。海といえば水着やん。サービス回やろ?」
「いや、そう言われても・・・」
「部室で部活するだけなので、水着は関係ないわね」
「ええ、陽華ちゃんのいけずぅ。胸が慎ましいからって、サービス回を回避するつもりやな?」
「む、胸は関係ないわっ!」
「おはようございます」
「相変わらず騒がしいわ」
そこに、ゴウリキとナンシーもやって来ました。これで、かりきゅー部のメンバーが全員集合です(顧問除く)。
「よし、みんな揃った!これより、『ブリッツ・ライン』に向けた、かりきゅー部の合宿を始めます!」
団三が右手を挙げて、勢い良く宣言しました。
「ゴウリキさん、バレーボールも持ってきたの?」
「バレーボールはワタシにとっての友達。置いてくるなんてできない」
「ナンシーちゃんの演算魔術ってどないなん?」
「フフフ、内緒」
「ああん、もったいぶって。そんな大層な能力やないんやろ?」
「そう言う千野先輩はどんな能力ですか?」
「ウチは、いつでもどこでも誰にでもお茶を振る舞って、体力回復させるんや」
「へー、なかなか凄い魔術ですね」
「ワタシも演算魔術に目覚め始めてきた」
「なあ団三、女性陣と溝ができてないかな?」
「そうだな」
「おい!もっと部長らしく、キャプテンシーでまとめろよ!」
「ちょっとこのメンバーは濃すぎる。自由にさせる方向でいこう」
「あっ、これアカン。ヘタレ部長や・・・」
了のツッコミが珍しく関西弁風です。
「なんとでも言うがいい」
「あっ、開き直った」
「そんで部長はん、最初は何をするんや?」
「はいっ!そうですね、スケジュールに沿って行動しましょう。最初はラジオ体操からです」
「ラジオ体操?」
全員がギョッとした顔になりました。これは意外だったようです。
「何事も初めが肝心ですよ。準備運動のために、ラジオ体操です!用意オッケーですね?」
「あのー、ウチ着物やねんけど」
「脱いでください!」
「あっ、ウチがサービスシーン第1号やな。よっしゃ一肌脱ぐでぇ」
「ゴウリキさん、ごめんだけど部室内で千野先輩を体操服に着替えるのに手伝ってあげてくれる?」
「ワタシの出番!」
「ああん、またサービスシーン回避やな。作者はんのいけずぅ」
ズルズルという擬音を伴いながら、ゴウリキの手によって聡子は部室内に引っ張られていきました。
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