第28話 モンスターマシン

ナンシーがかりきゅー部に仮入部しました。


「突然ですが、合宿を計画します」


団三が立ち上がり宣言しました。


「本当に突然ね」

「このままだと、剣道部との『ブリッツ・ライン』での練習試合に不安がある。もうひとつパワーアップイベントがあっていいはずだ」


「そやね。ウチも物足りへんと思っとったとこや。賛成やえ」

「はーい!俺も賛成!」


了が勢いよく手を挙げます。


「私も肯定ね」


陽華もささやかに手を挙げます。


「ナンシーはあまり興味がないけど・・・」

「ナンシーはん、そう言わずに協力してくれへん?何事も挑戦やと思うで」

「はぁ。まあ、仕方ないわね」


ナンシーが肩をすくめながらため息をつきます。


「なんだかナンシーさんって、やれやれ系主人公っぽいね」

「じゃあウチは?」

「お笑い、もといお茶会系主人公」

「何その新しいジャンル!」


了のツッコミです。


「私は?」

「自分から属性をアピールするヒロイン」

「私は主人公じゃなくてヒロインね」

「当たり前だよ」


「密月(姉)の真似~」


聡子がパンパンと手を叩きます。


「バカップル!イチャイチャ禁止や!」

「ええ!?」

「今ので・・・。厳しいなぁ」


「話を戻すけど、俺は何系主人公になるんだ?」


「剣道部系サブキャラ」


「あっ!俺だけ主人公ってキャラじゃないのね!なるほど!って容赦ないなぁ!」


「これがかりきゅー部・・・」

「騒がしいかしら?」

「でもいつもこんな風なんよ」


「そう言えば、かりきゅー部の顧問の先生は?」

「あー、ちょっと理由があって、3年生である私の姉が顧問を任されているの」

「ふーん」


「あ、ちょっと不満顔だね」

「かりきゅー部は、まだ正式な部活として認められてへんのやよ」

「そこで合宿だよ!みんなの絆を深めて、『ブリッツ・ライン』に向けて一丸になるんだ!」


「合宿・・・面白そうな話だね」


白衣を着た髪の毛がボサボサの女性がやって来ました。


「あ、どーも!ビッグシスター先輩!」

「密月先輩よ、待田君」


「この人が、顧問の人?」

「そう。私の姉・・・義理の姉ね。密月華恋よ。ほらお姉さん、新入部員よ。挨拶して」

「ほえー・・・。密月華恋です。よろしく」

「ナンシー・リリス。アメリカからの交換留学生です。よろしくお願いいたします」


ナンシーは優雅な仕種で一礼しました。


「あ、こりゃどーも」


華恋も一礼しますが、髪の毛がボサボサのために、絵面が危険な状態なことになってます。


「お姉さん、貞子みたいなんだけど、どうかしたの?」

「例の『ブリッツ・ギア』を使用してオペレートマシンを開発してたのよ。不眠不休で」


「それで貞子スタイルかぁ」


「密月先輩、かりきゅー部の合宿をしたいんですけど、いいですか?」

「どーぞどーぞ」

「早速、このマシンを使ってみましょう」

「ナンシーはんの能力も見てみたいやんね」

「あと、せっかくだからゴウリキさんにも合宿に参加してほしいな」


合宿編の始まりです!

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