第27話 勧誘

ナンシー・リリス。1年生。アメリカからの交換留学生。マジシャンクラス。金髪ロングの美少女です。


ゴウリキさんが彼女のかりきゅー部への勧誘をおこなうということで、意見がまとまりました。


「ということで、かりきゅー部に入部してほしいの」


ゴウリキさんは単刀直入にナンシーを勧誘しました。


「あまり興味ない」


素っ気ないナンシーの返事です。


「そんなこと言わないで!あなたが入部してくれたら、ワタシはもっとバレーに専念できるの!」

「それが本音ね」


「ゴウリキさん、そんなこと考えていたのか・・・」


かりきゅー部のメンバーも、影から勧誘の様子を見守っています。


「ウチらも出ていったらアカンのかしら?」

「もう少し様子を見てみよう」


ゴウリキさんによる勧誘、もとい説得は続きます。


「ナンシーさん!部活に入った方がいいですよ。ワタシも演算魔術には興味なかったけど、かりきゅー部での模擬戦を経て、意識が変わったの。今、かりきゅー部は『ブリッツ・ライン』に向けて全力で取り組んでいるわ。是非ともナンシーさんにも協力してほしいの!」


ゴウリキさんによる、必死な訴えです。


「・・・そこまで言うのなら、少し協力してあげないこともない。仮入部してあげる」

「!」


「おおっ」


影から見守っているかりきゅー部のメンバーも喜びます。


「ナンシーさん、ありがとう!」

「ただし、面白くなさそうなら、すぐにやめるわよ」


「大丈夫。かりきゅー部活のメンバーは愉快な仲間たちだから」


一歩前進です。


「ゴウリキさんの俺たちに対する評価、愉快な仲間たちになってるぞ」

「まあ、エエやんか」

「ゴウリキさんも悪い人ではないわね」

「僕は影が薄いけどね」

「それは元からだから、しょうがないぞ団三」


「ぶっちゃけ、後悔プロポーズだけの一発屋やない?隼人君って」

「あー、そう言われるとそうかも」


「あのー、ナンシーさん連れてきました」

「あ、どーも」

「ご苦労様です」


「そんな近くにいたんだ・・・」

「影から見守り隊です」


団三が無駄に自信満々に胸を反らします。


「ナンシー・リリス。かりきゅー部に仮入部します。よろしく」


「よろしくね。僕は部長の隼人団三」

「団三の彼女(仮)の密月陽華です。よろしく」

「団三の親友でもある待田了。よろしくな!」

「ウチは千野聡子。唯一の2年生やさかい、よろしゅうたのんます」


「あくまで仮入部ですからね」

「かりきゅー部と仮入部を掛けてるんやな!」


「と、突然関西弁に・・・?」

「あー、今のは団三のツッコミだ」

「思ったんやけど、隼人君のツッコミが関西弁なのって、ウチの京都弁と被っとるよなぁ?」


「言っちゃ駄目!薄々気づいてたんだからねっ!!」


「なんだか、よくわからないわね」


「ゴウリキ・彩菜です。バレー部に行きます」


今更ながら、ゴウリキさんの自己紹介です。そして彼女は、すぐにバレー部に向かいました。

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