第23話 休息
「今日は華恋お姉さんは来れないとの連絡があったわ」
「密月先輩は休みかぁ」
「じゃあ、ウチらだけやね」
「うん。僕らだけだと、やる気が出ないなぁ」
「今日の部活は中止にする?」
「うーん、そんなに余裕があるわけではないと思うけど」
「はい!休憩も大事だと思います!」
了が勢いよく手を挙げました。
「でも、ほとんど毎日のようにお茶会しとりますからなぁ」
「あっ、あれ休憩か」
「じゃあ、作戦会議というのはどうかしら?」
「「賛成」」
全員の視線が了に向かいます。
「ちぇっ、俺も賛成するしかないな」
了がお手上げのポーズを取ります。
「まず、現状の把握ね。かりきゅー部は部員不足のため、解散の危機にあります」
「唐突やな!」
団三のツッコミです。夫婦漫才みたいになっています。
「部員不足と、活動内容が希薄っていうのが問題点やな」
「本来なら教員が顧問になるべきところを、華恋お姉さんが顧問代理になっているのも問題点ね」
「顧問の問題と、部員不足かぁ」
「ゴウリキさんを正式な部員にするのは無理かな?」
「彼女は演算魔術に興味を持ってくれてるけど、次期オリンピック候補というのが足枷になってるわね。兼部という形がいちばんかしら」
「それで、ひとまず実績作りとして、剣道部との『ブリッツ・ライン』での練習試合というわけやね」
「『ブリッツ・ライン』でも問題点があるね。リザーブ(控え)がいないや」
「問題点だらけじゃねぇか!」
了がキレました。若者はすぐにキレやすくて、困ったものです。
「とりあえず、もう1人部員が欲しいわね」
「できれば、なるべく優秀な部員やな」
「そう簡単にそこら辺に転がってないかな?」
「団三、おもちゃじゃないんだから・・・」
「華恋お姉さんから連絡が来たわ。『ブリッツ・ギア』とかいう、先輩の遺産が研究室内にあるらしいの。探すのを手伝って欲しいとのことよ」
「ブリッツ・ギア?」
「先輩っていうと?」
「華恋お姉さんが手伝っている、異世界研究会の先輩ね。何でもルシフェル級の先輩が残した、凄いアイテムらしいわよ」
「マジっ!?」
「あくまで噂らしいけどね」
「うん、たいぶ方向性が見えてきた」
団三が頷きます。
「秘密兵器になりうる新入部員の獲得、および『ブリッツ・ギア』の発見。この2つを軸に、練習試合まで気張っていきますぇ!」
「お、おー」
聡子の勇ましい掛け声に、みんなが続きました。
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