第18話 部活とランク
団三と陽華が激嵐学園に入学して、1週間が経過しました。
隼人団三(1年生・スポンサークラス)
体力面だとマジシャンクラス。
密月陽華(1年生・ウィザードクラス)
体力面ではスポンサークラス?
待田了(1年生・スポンサークラス)
体力面だとウィザードクラスに限りなく近いマジシャンクラス。
ゴウリキ彩菜(1年生・スポンサークラス)
体力面だとデーモンクラス。
千野聡子(2年生・マジシャンクラス)
体力面だとスポンサークラス。
密月華恋(3年生・デーモンクラス)
オブサーバー(指揮)を担当。『ブリッツ・ライン』では、中間ポイントのみダイバーとの干渉が可能。
「かりきゅー部も、少しは形が整ってきたかな?」
モルモット(意味深)の尊い犠牲により、マシンの開発は順調。剣道部とのデモンストレーションでのお披露目に向けて、華恋は笑顔で防衛オブジェクトの構築について持論を展開します。
なお、連日連夜実験台として協力が強いられた了は、口がきける状態ではありません。毎日、身体がボロボロになっては聡子のお茶(回復薬)で強制的に超回復させられるのです。ようやく解放された今日は、使い物にならないため、聞いているだけでいいという条件の元で部活に参加しています。
「了、大丈夫?」
「・・・!オラ、ニホンゴ、ワカル」
「あ、これアカンやつや」
団三は納得しました。某異世界人よろしく、うんうんと何度も頷きます。
「予算も実績もないかりきゅー部は、ランク1だという事実から避けることはできない」
「部活のランク付けね。メタ発言になるけど、数字を出すときは要注意ね。10段階のはずが、ランク11とか長期連載になればなるほど矛盾が出やすいわね」
数字のインフレ化です。某バトル漫画などで、多く見られる現象であります。
「一応、最高ランクは10だよ。異世界研究会と時間溯行同好会しかないけどね」
「ウチの茶道部は3やよ」
「3だけにサドってか、茶道部ってのはドSだらけじゃねーか!」
お目覚めの了が珍しく激昂します。年上好きだとか、そういう問題を通り越して怒りが最高潮に達したようです。
「ウチは回復のお手伝いをしてあげただけやよ」
「超回復の連続によって、待田君の体力は飛躍的に向上している。大船に乗ったつもりで、ボクを信じてみてくれたまえ」
「・・・今日は見てるだけだからな!モルモット2号にバカップルの片割れ、団三を指名する!」
「僕の出番は指名打者かぁ。じゃあ、守備はいらないなぁ。ちょっとバッティングセンターに行ってくる。陽華も一緒にどうだい?」
「デートの場所がバッティングセンターってのは、私的には微妙かしら。インドア派だから、図書館とかどう?」
「リア充ハンター発動!ボクのマジック投擲!」
華恋が団三に向かって、マジックを投げました。
「ナイスコントロール!」
パシッという快音とともに、団三はマジックをキャッチしました。
「残念ながら、パワーでは僕の方が上だね」
「くっ、普段の運動不足を痛感する・・・」
「話を戻しましょう。剣道部のランクって、いくつだったかしら?」
「剣道部はランク2だ。所詮、運動部といってもマイナーな部活だからな」
陽華と了の会話です。
「ひとまず、僕たちは防衛オブジェクトの構築に専念だね」
「コアフラッグ以外は自作できるんやよ」
コアフラッグの位置を高めに設置して、坂のような段々畑に近い陣地になっています。防衛オブジェクトはこれから設置していくようです。
「ウチと陽華ちゃんで高いとこから敵を狙い打ちすれば楽に守りやすいんちゃうの?」
「さらに、落とし穴などの罠を設置すれば、防御は固くなるわ」
「ふむ、じゃあボクが凶悪的なトラップを仕掛けてみせよう」
「ちゃんと死人が出ない程度にお願いしますよ」
「よみがえる悪夢。何回死にかけたことか・・・」
了が独り言を呟きます。精神的に大ダメージを被ったようです。
ちなみに、ゴウリキさんは今日も元気に女子バレー部(ランク8)で部活中です。
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