第11話 8/3 釣り

亀田島での生活を過ごしていた虎之助と華音は1週間落ち着いて過ごすことができた。変装することで追っ手から逃れることができたのであった。


8/3は海に釣りに行った。

「よし,魚をとるぞ。良い魚が取れると良いなぁ。」

「ほんと。良い魚が取れるように頑張るよ!」

釣果は良い魚が丁度良い量取れた。


近くの料理屋に足を運んだ。

「マスター。このとれた魚をうまく調理して欲しい。」

「ほう。イサキとアカムツ。それにカンパチまであるのか。なかなか凄いじゃないか。」

「頑張りましたよ。今日は。刺身とほかに一品料理でもお願いします。」

「分かりました。早速調理にかかります。」


しばらくして刺身と唐揚げが運ばれてきた。この2つは外れなく美味しいものである。

「良さそうですなぁ。ありがとうございます。」

「後ほど,漁師汁をお持ちします。サービスですからご心配なく。」

「ありがとうございます。日本酒はありますかな?」

「ございますよ。魚に合うものをお持ちいたしますね。」

「華音も呑む?」

「久しぶりだけどとらたんが呑むなら呑むよ。」

「悪いね。一緒に呑んでもらっちゃって。」

「気にすることはないよ。とらたんにとっては残り少ない日々なんでしょ。」

「ははっ。そうだな。さぁ食べよう。」

魚の唐揚げを口にする。白身魚の淡白な味がなんとも美味しいものであった。

「とらたん。自分で釣った魚は格別だね。私,あんまり釣れなかったけど。」

「でも0匹じゃなかったから良いんじゃないか。それに多く釣っても魚を一緒に食べることに価値があると思っているから気にすることはないよ。」

刺身は魚の脂,旨味をよく感じるものであった。やはり日本人として刺身は格別なものである。



暫くして日本酒が運ばれてきた。

「日本酒か。旨い魚に旨い酒。これは格別だなぁ。華音は呑めるタイプなのか。」日本酒を徳利から盃に注ぎながら虎之助は話しかける。

「強い方だけどね。でもあまり飲まないかな。酒は身を滅ぼすというか。何かあったら怖いでしょ。」

「あぁ。流石やなぁ。華音は。」

その日は久しぶりの酒を呑んだ。




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