《おまけページ案と弟子 ~キャラプロフ~》②
「というわけでボツ案その1、キャラクタープロフィールをやっていきましょうか」
「あんな痛々しいクソエッセイの後にやるの嫌なんですけど……」
「元々の原案では、おまけページは全て各話の幕間に挿入する予定でした。プロフィールに関しても同様ですが、ただ設定を何でもかんでも開示するのではなく、非常に雑な情報しか開示していません」
「どうしてですか?」
「そこまで詳細に決めていないからです」
「作品への愛の無さが伺える……」
「あと恥ずかしいからですねえ」
「羞恥心が少しでもあったらあんな作品出版出来ないです」
「過ぎたるは及ばざるが如しですよ、サヨナくん。それでは各自見ていきましょう」
「誤用なのかそうでないのか微妙なタイミングで使われた……!」
*
《シコルスキ・ジーライフ》
年齢:二十代
好きなもの:自由を謳歌すること 巨乳
前かがみになった際に胸元をわざとらしく手で押さえない女性
嫌いなもの:自由を阻害されること 貧乳
露出度の高い服を着ている癖にガン見したら嫌な顔をする女性
趣味:異界の道具収集・作成
この物語の主人公。非常にマイペースで自分に正直な男。
祖父が賢者、父が勇者であり、その二人の血筋を継ぐハイブリッド賢勇者。
ドラえもんでいうドラえもんのような存在。
シコ「本作は『性のドラえもん』という発想をベースに執筆されたそうです」
サヨ「ドラえもんに失礼ですよ!!」
「――と、このようにプロフを見て我々がツッコミを入れるという案でした」
「何というか……本当に大した情報が無いですね」
「構成で言うならば、一話の後にこれが入る予定ですので。ここで僕の詳細な裏設定を語ったところで無意味でしょう」
「先生って裏設定あるんですか?」
「身長は大体177~180cmくらいです」
「裏でも何でもない設定じゃないですかねそれは!? 身長言えない世界観!?」
「神経質なことを言うと、一応本作は異世界を舞台としているので、現代日本で使っている尺度を使用した設定を語るのはどうかと思ったのですよ」
「快楽天とか出てくる世界で今更何をって話ですが……」
「ところでドラえもんに対して喧嘩を売っているみたいですけど……」
「詳しくはVtuberである本山らのさんの有象証人喚問回をご参照下さい」
「こんなところで宣伝するんですか!?」
*
《サヨナ》
年齢:十代
好きなもの:甘いもの 可愛いもの 『姉』
真面目で誠実で冷静沈着で頼りがいのある男性
嫌いなもの:変態 巨乳
コンプレックスである貧乳をいじり倒してくる野郎共
趣味:日記を書くこと
この物語のヒロイン(一応)。見た目は美少女。貧乳。
出自に謎が多く、またそれを語らない。何か目的があって弟子入りしたらしい。
本人は何も取り柄がないと言っているが、そこそこ魔法の才能はある様子。
シコ「二話まではヒロインとして描写しようとした形跡がありますねえ」
サヨ「終始ヒロインなんですけど!?」
「わたしのプロフもろくなこと書いてないですね」
「君に関して言うと、設定が明らかになったら先の話に影響が出るのでね」
「そういえばそんなストーリーでしたね」
「本作のメインストーリーは寿司で言うガリみたいな位置付けですからねえ」
「人によっては口にすらしませんね……」
「ところで日記要素が本編では見当たりませんでしたねえ。これは一体どういうことなのか!? その答えは簡単、何とおまけページ案の一つに『サヨナ日記』というものがあるのですよ! これもいずれ公開予定です!」
「え……でも採用される案は一つだけですよね? 仮にプロフが採用されたとしたら、わたしの日記要素なんて本編ではまるでないままじゃないですか。一方でサヨナ日記が採用されても、これもまた本編で日記書いてる様子なんてないですが……」
「つまりおまけページ案は始まる前から失敗していたというわけです」
「やらなくてよかったですねおまけページ!?」
「余談ですが、本作の執筆初期段階においては、中盤以降ガチシリアス展開にしてやろうという試みがありました」
「なんでまたそんなことを……」
「やはりギャグをやるということに些かの抵抗があったのでしょう」
「往生際の悪さがゴキブリを彷彿とさせますね」
「なので一話と二話は三話以降と比べると、地の文の量が多く、描写も堅苦しいものになっています」
「でも結局シリアス入れずにギャグ一本でやるって方針転換したんですよね?」
「ええ。なのでその覚悟が固まった三話以降は地の文の量が減り、極力難しい単語や言い回しを避けるようになりました」
「隠し味だけにこだわった失敗料理みたいな感じですね」
「隠し味すらこだわってないですよ」
「じゃあもうただの失敗料理じゃないですか!!」
*
《ユージン・F・ライエンド》
年齢:二十代
好きなもの:金 女 友達 八重歯(乳歯)
嫌いなもの:権力者 冷やかし 父親 ムダ毛(下半身)
趣味:売れそうなもの探し
シコルスキの幼馴染。行商人。常識人のようでいて案外そうでもない。
商才はぼちぼちだが、父親が歴戦の剣士であり、商人にあるまじき戦闘力を誇る。
幼女が好きなのではないかという疑惑を常に吹っ掛けられているが、果たして……。
シコ「自分を隠さなくても良いんですよ」
ユー「隠してねえわ! 言い掛かりだろうが!!」
サヨ「好きなものと嫌いなものに一つずつ闇が深いものが……」
「何だかんだで全体的な出番が多い上に、エピローグでは一人称視点まで務めている、僕の幼馴染にして親友のユージンくんですねえ」
「父親のこと嫌いなんですね、この人」
「二話にあった『親より嫌いだから~』という言い回しはその設定があるからなのですが、おまけページが削られたので微妙に伝わりづらいニュアンスに!」
「でもその嫌いな親よりも嫌いって言われてるのは、他でもない先生なんですけど……」
「彼はツンデレなので」
「そのフレーズだけであの人からのあらゆる拒絶を跳ね除けそう……!」
「我々の親世代については、設定こそありますが恐らく語る機会がないので、まあ適当に読者の方の脳内で保管しておいて下さいね」
「そういうのをやるためのカクヨ村非公式連載じゃないんですか!?」
「回答は控えます」
「見切り発車でやるから……!!」
「どうでもいいですがユージンくんは出番が多い割に、本編の挿絵ではたった一回しか登場していません」
「……今確認したらアイスマンとあの会長は二回出てますね……」
「ハマやん氏&会長>カグヤさん=ユージンくん=岩根さん という感じです」
「前作のヒロインと並ぶって……」
*
《ハマジャック》
年齢:五十代
好きなもの:全裸鎧 救水 女体
嫌いなもの:騎士道に反すること
趣味:(紙面では言えません)
チャース・ノーヴァ国で騎士の中の騎士と呼ばれていた、変態のおっさん。
結果的にクーデターを起こしたが、その後逃走し、現在は世界中を放浪しているらしい。
口では小娘と言っていたが、全然サヨナで興奮可能とのこと。
シコ「いわゆるツンデレだったんですねえ」
サヨ「どれだけ広義的に解釈してもこの人はツンデレに該当しません!!」
「本作の方向性を数ページめくっただけで分からせてくれる、偉大なる騎士の中の騎士、ハマやん氏です」
「あれ見てそっとページを閉じた人も結構居ると思うんですが」
「そういう意味では冒頭の展開と挿絵は、この作品について来れるかどうかを試すという意味で、試金石……試金玉石だったというわけですねえ」
「汚い造語で言い直さないでください」
*
《カグヤ・アテーリア》
年齢:十代(人間換算)
好きなもの:弱者をいたぶること 奴隷を飼うこと シコルスキ
嫌いなもの:人間 孤独 雨の日
趣味:蟻の観察
先代魔王の娘にして、現魔王。貴重な巨乳枠。地味に良識派。
魔王というファンタジーモノの花形ポジションにありながら、キャラが薄めである。
人間を見下し嫌ってはいるが、シコルスキは別のようだ。
シコ「使い方を誤った感は否めませんねえ」
サヨ「本質的には根暗ですねこの人……」
「次いきましょう、先生」
「敵意だけで動いてはなりませんよ」
「特に言うことなくないですか? こいつ」
「まあ……そうですねえ。彼女はいわゆる『馬越先輩現象』に該当するキャラです」
「聞いたことない現象なんですけど!?」
説明しよう! 馬越先輩現象とは、本編執筆時は別に大した思い入れもなく、とりあえず登場人物の一人として予定通りに動かす駒でしかなかったキャラクターが、いざイラスト化されると作者の股間に突き刺さるデザインとなり、脳内のキャラクターランキングで一気に上位へと上り詰める現象のことを指すぞ!!
馬越先輩 is KAWAII!!!!!!
「――ということです」
「単なる性欲と言う名の生理現象じゃないですか!!」
「因みに有象はこの現象により、馬越先輩メインの短編を二本書きました。カクヨ村にあるので暇な方は是非」
「一番暇なのは
「カグヤさんも本編執筆時は『使いづれえわコイツ……何かの拍子に死なねえかな』と思われていましたが、いざかれい先生にデザインしてもらうと、なんとも可愛らしい外見で仕上がってきたではありませんか! サヨナくんも外見は可愛いものの、愛着を持ってしまうと酷いことをやれなくなるので視界に入れないようにしましたが、カグヤさんは目に入れても痛くない気がする! いや痛い! やっぱダメですね!」
「何が言いたいんですか!?」
「馬越先輩は坂井くんが不在の時に語り部になれるだけの存在でしたが、カグヤさんはそもそもキャラクターの時点で弱いので、現象で愛着が強化されようと使い道がない……というわけです。ヒマナッツを鍛えても対戦では弱くて使えないのと同じような理屈ですね」
「とうとうヒマナッツ扱いされる魔王って……」
「ですがそんなカグヤさんがメインとなる特別短編が、2019/7/10発売の電撃文庫MAGAZINEに掲載予定です! 彼女の新たなる魅力を知りたい方は是非!」
(ああこれが言いたかったのかぁ……)
*
《会長》
年齢:不明
好きなもの:女体
嫌いなもの:シリアスなもの全て
趣味:(紙面では言えません)
《シリアスを絶対にゆるさないの会》という新興邪教の会長を務める男。本名不明。
朗らかで親しみやすいように見えるが、その奥に潜む邪悪さはサヨナが震えた程。
初稿の改稿において、セリフを次々と修正させられた伝説を持つ。
シコ「僕は好きですけどね、会長」
サヨ「好きとか嫌いとかじゃなくて、ただただ純粋に危険なんですよこの人」
「『他は大丈夫だったけど会長だけは無理』という感想がちらほらありました」
「歯止めが効かないんですよこの人……」
「事実、下読みした友人後輩各位からも、会長のキャラクターはどうかという意見がありましたが――しかし会長のようなキャラこそ、本作でしか生まれることのない存在だとも思います。しっかり彼を登場させる判断をした担当達の判断に拍手を送りましょう!」
「いやでも結局この人はセリフを次々修正させられてますからね?」
「校正さんからのコメントもドン引きでしたからねえ」
「何言ったんですかね……」
「紙面では言えません」
「そればっかですねこの作品!!」
※『不快』みたいなこと書かれてました
*
《アーデルモーデル・ソロウ》
年齢:二十代
好きなもの:コンセプト通りに進行する栄武威
インタビューに力を入れている栄武威
嫌いなもの:コスプレモノにも関わらず最終的に脱ぐ栄武威
不必要に女優に「大きい」と言わせる栄武威
イクと言ってから男優が中々イかない栄武威
趣味:異界の機械作製
シコルスキの幼馴染その2。いわゆるニート。母親が美人。
異界の栄武威というモノに対して、並々ならぬ興味と情熱を持っている。
ダメ人間ではあるが、機械工学という分野においてはシコルスキを凌ぐ才能を持つ。
サヨ「全体的に酷い字面なプロフィールですね……」
シコ「六話は打ち合わせ段階で『ファンタジー小説なのに部屋で栄武威撮影してるだけじゃねえか』という指摘がありましたが、強引にそのまま通しました」
ユー「何で無駄に頑固なんだよ」
「地味に中盤ぐらいに存在は匂わせていたものの、登場は終盤となった僕とユージンくんの幼馴染にして親友、アーデルモーデルくんです!」
「きもい」
「仲良くして下さいね?」
「いや無理ですってホント……女性層からは拒絶されるような存在ですよこの人」
「彼は僕と違って機械工学が得意である他に、『登場時は相変わらず変態系のキャラかなと思わせておいて実はそうでもない』という、二段構えの存在です」
「構えなくていいですよそんなの」
「終盤はサヨナくんが成長してボケに走れるようになっているのと、ユージンくんも意外とボケるので、彼はそういう意味ではボケもツッコミもこなせる貴重な存在です。そして、我々四人が揃うということは、即ち!」
「……即ち?」
「ザ・ドラえもんズの集結に等しい!!」
「三人ほど足りねえ!!!」
「ドラえもんズと言ってすぐに通じる世代は恐らく三十代以降でしょう」
「冷静に分析しなくていいです!! 書いてるヤツの年代が三十代なだけじゃないですか!!」
「有象も土屋も阿南も年齢が近いのでね」
「そいつらのプロフもついでに晒す感じですか!?」
「ついでなので言っておくと、ドラえもんで言うのび太くんとしずかちゃんがサヨナくんで、ジャイアンがユージンくん、スネ夫がイキってる時に流れる曲がアーデルモーデルくんです」
「曲枠!?」
「後はまあ、アーデルモーデルくんのお母様の方が少ない出番で圧倒的にキャラ立ちしたので、いつか彼女を抱きたいですねえ」
「ペタジーニはNG」
*
「いかがでしたか? 魅力的なキャラクターがたっぷりな『賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求』! 書店で見かけたら、是非手に取って下さいね! それではまた次回!」
「ググったら上の方に来る糞みたいな情報サイト風エンド!?」
~その③へつづく~
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