《おまけページ案と弟子 ~お前にやるページはねェ~》①

 皆様はおまけページというものをご存知だろうか?

 漫画にはよくあり、そしてライトノベルには(作品によっては)存在する、単行本や文庫本ならではの、消費者に対するちょっとした心遣いである。

 前者は連載誌で追っている読者に対する訴求力となり、後者は連載誌など殆ど無いものの、本編の補足や箸休めとして、読者への一種のアピールとなる。


 本作、賢勇者シコルスキ以下略は、『読んだ人を笑顔にしたい』という、薄ら寒い政治家の公約が如き理念を掲げて、作者編集一同で制作を行っている。

 となれば当然、購入者である読者に対しては最大限のサービスを行うべきと、作者である有象ゴミは考えていた。本作に次はない――この巻だけで、様々な試みに挑戦してみたい。

 おまけページのあるギャグライトノベル……なんとも妥当ではあるが、しかしあって当然のようなものだとも思える。そう、ギャグ小説とおまけページとは切っても切れない関係であり、酢飯と寿司ネタのような存在であるのだ。


 ――と、プロ未満の比喩しか浮かばない有象ゴミは、飼い主である編集T(suchiya)におまけページ案を打診する。「私は! この賢勇者という作品を、読んだ人の強張った表情を解きほぐし、安らぎと温もりと笑顔、何より今の暗い時代を明るく照らすような作品にしたいんです!!」もう政治家じゃなくて宗教家じみていたが、熱意だけは伝わったらしい。

「貴様のほざく放言にはほとほと呆れたが……一理はあるのでじゃあ草案出せ」

 その一言により、おまけページという一つの憧れを実現させる為に、一人の飛沫作家(※1)はカタクチイワシ程しかない脳味噌をフル回転させるのであった。


※1:スマホ見てる時にクシャミしたら画面に付着したアレのようなレベルの作家という意 有象ゴミの造語



 数日後――(当社比マッハで仕上げた)



有「よし……これなら読者も幕間で読むのに大した負担もなく、それでいておまけ感のあるおまけ的なおまけページになりそうだ……! もう完全におまけだわこれ! 見て下さいご主人様! この草案を!」


土「(わざ:いちゃもん)」


有「(わざ:あまえる)」


土「(わざ:ふくろだたき)」


有「(わざ:わるあがき)」


 あくタイプかコイツ……? まあでも多分これで大丈夫だろう。多分。知らんけど。

 そう判断した有象ゴミは、三つ出した草案のいずれかが採用されることを信じ、永い眠りにつく。

 この後に地獄の修正・改稿作業が始まり、おまけページに気を回す余裕がなくなっていったのもあるが、それでも信じていたのである。

 己に待つ輝かしいおまけページの未来を――





 たくさんヶ月後――(覚えてない)






「(前略)そう言えば頂いていたおまけページですが、ちょっとページの都合で(中略)諦メロン(後略)」





んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 この●●(※暴言)!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 ●ね(※好きな漢字を代入)!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 T(suchiya)のバカ!! もう知らない!!(さんぽ並感)

 でも好き!!!!!!!!!!!!!!!!(愛憎)


 というわけで――おまけページ案はもれなくボツ案となったのであった。

 因みに(suchiya)氏のいぢわるではなく、単純に予定ページ数を遥かにオーバーする文量を書いた有象バカのせいである。

 これ以上ページが嵩むと本の値段が上がってしまうので、まだ新人の域を出ない作家の本でそれはどうか……みたいな判断である。一理ある。いや千里ぐらいある。万里はない。


 そうでなくとも、2019年6月刊の電撃文庫新作の中で、シリアスなど無縁の本作が一番ページ数が多いのである。

 確かに見本誌を見た時、何か厚いな……と思ったと、有象バカは回顧する。内容の薄っぺらさと反比例する厚さである。どことなく世間への申し訳無さが増した。


 さて、しかし(sushiya)氏より本編を削っておまけページを入れる案も出たが、それは何というか本末転倒というか、インサイダー取引的なアレ(意味不明)を感じたので固辞した。

 というかこの時点で、もう有象アホの頭には勝手にカクヨ村でボツ案を公開するプランが構築されていたのである。

 どうせ二巻はないし、次に何をするのかも決まっていないので、6月中旬以降は暇なのだ。その時に公開してやろう――そういう腹であった。

 寿司屋氏に怒られても知らんわもう(ヤケクソ)



 なので次回はボツ案達を恥ずかしげもなく大公開!!

 自伝形式は今回限りで、ちゃんと小説形式にするぞ!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る