第15話

8月になった。

スマホが着信を告げた。

沙紀ちゃんからだった。

「もしもし、しずちゃん。元気ー」

「もしもし、元気だよ。沙紀ちゃん、どうしたの」

「今日、空いてるー。しずちゃん」

「空いてるよ。何かあるの」

「買い物に行かない」

声が沈んでいる。

何かあったのかな、少し心配だな。

「行こっか、買い物」

じゃあ、イオンでね。また後でね」

電話が切れる。


自転車のペダルを漕いで向かう。

先に沙紀ちゃんが待っていた。

「久しぶりだね、沙紀ちゃん」

「そうだね、しずちゃん」


買い物を済ませ昼食を摂ることにした。

サイゼリアに行くことになった。

私はピザを頼み、沙紀ちゃんはスパゲッティーを頼んだ。

くるまで最近の話をした。

沙紀ちゃんが沈んだ声をだした理由がわかった。

彼氏が出来ないのが理由だった。

焦っているとのことだった。

私は何とも言えなかった。


一緒には帰らなかった。

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