10.――体は闇で出来ている

 はい、どうも! ながやんです!

 基本的にこう、愚痴ぐちうらぶしで、極めて利己的なわがままなんですよね、本書は。そのうえでこうして読まれてみて、どうでしょう? なんとなく『ながやん結構楽しんでるじゃんwwwww』って思われるかもしれません。


 FGO、楽しいです。


 FGO、大好きです。


 こんなにキャラとシナリオのいいゲーム、めったにありません。

 ガチャも、まあこんなもんだろう、と思います。

 結構ガチャ運には恵まれてたし、何度爆死してもまたガチャ回したくなる。

 でも、じゃあ、どうしてながやんは苦しくて辛いのか。

 そのお話を、これから数回に分けてつづらねばなりません。

 あくまでも個人の私感で『俺が今感じてる正直な気持ち』でしかありません。

 俺という個人にも、その思想や解釈、価値観にも意味などはありません。

 他所よそは他所、うちはうち、です。




 FGOを始めてから、好きなサーヴァントだけを育て、欲しいサーヴァントがピックアップの時だけガチャを回してきました。俺が求めるのは『強いサーヴァント』ではなく『好きなサーヴァント』でした。

 結果的にですが、バーサーカー軍団になってしまいましたね。

 でも、別に困らなかったし、普通に遊べてた気がします。

 第一部メインシナリオで、あのクエストが現れるまでは。


 順当にメインシナリオを進めていた俺は、第六章キャメロットまで進んでいました。ここにいたるまで、導入部としての絶望感にあふれた特異点F、スーパーローマ大戦ことセプテム、海賊王に俺はなる! って感じで愉快痛快ゆかいつうかいなオケアノスと、順当に進んできました。フレンドからサーヴァントを借りられるので、そこまで苦戦しなかった印象ですね。ロンドンもよかったし、北米では俺の最推しの婦長がさいこうな活躍をしてくれました。

 でも、突然六章のキャメロットから、ゲームが難しくなりました。

 敵側にアサシンと他クラスの混成パーティが増えたのも、その一旦でしょう。

 それでも苦心して進んでた俺の前に、第四節『嘆きの壁』が現れます。


 第六章キャメロットは、セイバーではなくランサーとして現界したアルトリア(アーサー王)が、聖槍せいそうロンゴミニアドの力で選ばれた人間だけを救おうという特異点です。人理にはなかった『世界が滅亡するから、優れた人だけでも救おう』というのが、アルトリアの行いで、有力な円卓の騎士が多く彼女を支持しています。

 最初に言っておきます。

 シナリオは、とても素晴らしいものでした。

 俺は、ガチで泣きました。

 ベディヴィエールには聖杯あげようと思ってます。

 騎士王とその従者を巡る、壮大な物語と切ない想い……とても感動しました。

 因みに来年、2020年にこのキャメロットがアニメ映画化されます。そこで絶対にベディヴィエールのピックアップがあると思うので、待ってます(笑)


 ただ、話を戻すと……このクエストで俺は、FGOに対して一種の疑念を感じました。今はもう、それを確信と思っていて、FGO運営側の悪意を前提にゲームをしています。

 常に『FGO使』と思ってます。

 どうですか? そういう人間、ファンと呼べますか?

 俺にとっては、そう思わせるだけの戦いがあったのです。




 第六章キャメロットの第四節『嘆きの壁』は、円卓の騎士でも随一の英雄、忠臣ガウェインが主人公たちの前に立ちはだかります。彼は聖槍を得たアルトリアの加護を得ており、ギフトと呼ばれる特殊な能力を身に着けています。

 日輪にちりんの騎士ガウェインが、アルトリアから得たギフトの力。

 それは『』というものでした。

 同時に、宝具を発動させるためのチャージも、凄く早く溜まります。

 必定『21』というクエストになっているんですね。これは、ぶっちゃけて言うと無理ゲーです。普通に遊んでいる人がクリアできるレベルにありません。令呪れいじゅによるコンテニューは勿論もちろん、そこから聖晶石せいしょうせきを使ってのコンテニューが必要でしょう。


 俺が怒っている、いきどおっているのは、この不条理で理不尽な戦闘が『極上のシナリオを読んで楽しむ』という、本来の楽しみ方に対して、全く逆に作用していることです。言うなれば、RPGというゲームの文脈を、全く無視していると言えます。21世紀も令和の時代になった昨今、平成後期に生まれたゲームとは思えぬ醜悪しゅうあくさ、愚劣ぐれつさ、下劣げれつさが込められていると俺は感じました。

 えて強い言葉を使いました。

 そんな俺を、FGO好きな方は軽蔑してください。

 俺はFGOが憎いです、恨んでます、クソゲーだと思ってます。

 キャラの良さもシナリオの良さも、それは『ゲーム自体のメイン要素』ではありません。キャラとシナリオの良さは、映画やアニメでも楽しめるからです。ゲームならばこそ、キャラとシナリオの良さを『ゲームだからこそのプレイング、ユーザーの決断と判断で盛り上げる』という要素がなければいけません。キャラとシナリオの良さを、さらにゲームでプレイヤーの腕と知恵が、自分で選んで望んだからこその盛り上がりがあって、何倍もよくなる。そうでなければいけません。




 ながやんは、ファミコンのドラクエやFF世代、SFCまでくらいですね。プレステでもFFTやサガフロ、聖剣LOM等、素晴らしいRPGをやってきましたし、テイルズシリーズや女神転生シリーズものめり込みました。

 そうしたゲームには全て、RPG特有の『ゲーム文脈』があったんです。

 主人公が強大な敵と戦い、敗北して逃げる……悔しいけど逃げるしかない。そういう状況がたまにあります。そうした時、既存きぞんのゲームは戦闘が発生しても『』だったんですね。それは、プレイヤーが『あっ、これ絶望や……こらあかん、勝てないわ』ってわかる戦闘だったんです。当たり前ですが、勝てません。そして、負けてもストーリーが『悔しい敗北をきっした、どうなる!? どうなってしまうんだ!?』という盛り上がりの中で続きます。


 余談ですが、この『負けてもストーリーが進むイベント』は、名作RPGでは繰り返し使われてきました。FF2では、ゲーム開始と同時に主人公たちは謎の強敵にボコボコにされ、助けてくれた人たちのベッドの上で目覚めて本編が始まります。FF5では、ガラフというイケメンじじいが、ラスボスとの一騎打ちで『HPが0になっても気迫と根性、覚悟と決意で死なない』というイベントがあります。ガラフは結果的に死にますが、そういうイベント戦闘をて主人公たちの旅は続きます。

 面白いのは、ドラクエ3です。物語の終盤、勇者はラスボス手前で父親のオルテガと再会します。オルテガは敵と戦ってる最中なんですが、戦闘シーンこそあるものの、負けてしまい、主人公の勇者に遺言を残して死んでしまいます。しかし、実はこのオルテガVSモンスターの戦闘……調。そして! ここがドラクエ3の凄いところ! 本来死にながら感動の別れをするはずの戦闘に、勝ってしまったオルテガは……勇者に『ギリギリで勝ったが力を使い果たした……あとは頼むぞ我が子よ』的なことを言って、やっぱり死んでしまいます。天文学的な確率ですが、オルテガが勝つことも想定した上で、負けて死ぬイベントとして完成してるんですね。




 FGOでのガウェインとの戦いは、いて言うなら不毛の一言です。物語の中で『絶望的な状況の中で敗走する』というイベントを行うために、『ガウェインに一定数の戦術的な勝利を収める義務』をプレイヤーに強制してきたのです。普通に遊んできたプレイヤーは、絶対に令呪や聖晶石でのコンテニューをしなければいけない、そういうイベントです。いな、こうして勝敗を求めてきている時点で、イベントとは呼べません。

 しかも、戦いは不愉快極まる理不尽なものです。

 こっちの攻撃は通らない、相手は宝具を使いたい放題。

 数ターンでコンテニューするハメになります。

 勿論もちろん、対策はあって、ガウェインを倒すために有利な礼装やサーヴァントは沢山あります。でも、それは全てガチャという運試しでしか得られないんです。そして、もっとも俺が腹ただしいと思ったのは『』ということです。

 このゲームバランスを許す、これがFGO運営なんだと俺は心にきざみました。

 なんとか勝って先に進みましたが、令呪と聖晶石を使わされました。

 使いたいと思った訳ではありません。

 カツアゲやゆすりも同然に、大事な聖晶石を奪われたんです。


 しかも、です! しかもですよ!

 そうまでして、クエスト自体に勝利しても、ストーリー的には『退』という話運びになります。これはおかしいでしょう? RPGというゲームの文法を無視しているでしょう。俺は令呪と聖晶石を使って、ガウェインに対して要求された、不当な勝利条件を満たしたんです。ガウェインに対して、運営側が要求する勝利条件を満たしたんです。なのに、結果として『負けたから撤退しよう』って、おかしいでしょう。

 だったら、最初からこっちが負けてもストーリーが進行すればいいんです。

 何故、過去の先達たちが、多くの名作RPGが築いてきた文法を無視するのか。

 本当に気分が悪いですよ、腹が立ってシナリオが頭に入ってきませんよ。

 あと、ガウェインが嫌いになりますよ。

 FGOユーザーの少なくない数が、ガウェイン嫌いになりますよ、これは。

 それでいいんですか? 物語上の敗北が必然な戦いに、ゲームとしては勝たなければ先に通さない。勝つことを求めるのに、ストーリー上は負けて撤退がもう決まってる。

 許せない、こんなことが許されていい筈がない。




 ながやんはここで、FGO運営に対して不信感を感じました。そしてそれは今、確信となっています。FGO運営は『常に卑怯なやり口でこっちの聖晶石を奪ってくる』と思っています。憎いし恨めしいし、全く信用できません。そして、その後のFGOでも、それを裏付ける要素が無数に存在しました。結局、FGOは殿様商売とのさましょうばいなんです。キャラとシナリオが素晴らしいことにあぐらをかいて『?』をニヤニヤ笑いながら突きつけてくる、そういうゲームなんです。

 俺はガウェインが大嫌いになりました。

 引いたら絶対、レアプリにくべてやろうと思ってました。

 でも、CCCイベントでガウェインが『』と知って、許しました。おっぱいが好きな奴に、悪い奴はいないからね……ガウェインは許しました。もし引いたら、ちゃんと育てると思います。バスター3枚だしね!

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