03.ソシャゲと既存のゲームは、どう違う?

 FGOはソシャゲです。

 広義の意味では、スマホで遊ぶゲームは全てソシャゲかもしれません。

 しかし、厳密にはソシャゲの中でも、モバゲ(モバイルゲーム)に入るのかもしれない。そして、そもそもソシャゲとは『ソーシャル・ネットワーキング・サービスによってプレイヤー同士が情報やゲーム性を共有しているゲーム』を指す、と解釈してみました。

 よく、FGOで『このTweetが○○○たっくさんRTされたら、聖晶石を全員にプレゼント!』ってやってますよね。当然ですが、聖晶石はガチャやコンテニューに使う、ゲーム上とっても大事なリソースです。

 このように、FGOはモバゲ、ソシャゲと呼ばれるジャンルのゲームです。

 では、ソシャゲって他のゲームとはなにが違うんでしょうか?

 今までのゲームとは、いったいどこに差異があるんでしょうか?

 個人の主観にもよりますが、ながやんの見解と解釈を整理してみたいと思います。




1.ながやんが幼い頃のゲーム


 ながやんがテレビゲーム、ビデオゲームを始めて触ったのは、小学校一年生の時。友達の家でスーパーマリオブラザーズと、超時空要塞マクロスをやりました。今でも、8bitビット音源の小白竜シャオパイロンのBGM、よく覚えています。

 小学校高学年になると、FFやドラクエが台頭、世はRPG戦国時代へ。

 先にも述べましたが、子供たちがデパートに行列を作りました。

 最新作が出る度に、ズル休みしたり、徹夜したり。

 そうこうしているうちに、アーケードゲームにも一大ムーブメントが訪れます。そうです、ストリートファイターⅡにたんを発した、格闘ゲームブームです。餓狼伝説がろうでんせつ龍虎りゅうこけん、ファイターズヒストリー、豪血寺一族ごうけつじいちぞく……無数の格闘ゲームがゲームセンターにあふれ、手に血豆ちまめを作りながらみんなで必死に遊びました。

 また、音ゲー、リズムゲーと呼ばれるゲームも台頭し、熱烈なファンを生みました。

 次は、ネットーゲームブームです。今まで一人で遊んでいたRPGの、その勇者や戦士、魔法使いに一人一人がなれるゲーム。顔の見えない相手との、一期一会いちごいちえの冒険、ネットでだけ築かれたきずな悲喜ひきこもごも……大変にドラマチックな物語を多々生みました。


 そうした流れの先に、ソシャゲは生まれたんです。


 スマートフォンという、誰もが持つ『』の登場によって、その勢いは一気に爆発しました。突然の新興勢力として世に出て、あっという間に一大ジャンルとなりました。




2.ソシャゲって、どんなゲーム?


 自分の定義として、下記の条件を満たしているゲームが、ソシャゲだと思います。でも、パソコンで遊ぶブラウザゲーの艦隊これくしょんも、ソシャゲらしさがあると思うし、やや定義は曖昧あいまいですね。


 1.時間によって回復するスタミナ的な数値で、プレイ時間やプレイ内容が決まる。

 2.他のプレイヤーと、ネットワークによってゲームを共有する要素がある。

 3.ガチャと呼ばれるシステムで、戦力の拡大や充実がある程度運任せである。

 4.現実の金銭を課金することで、ゲームを有利に進めることができる。

 5.遊ぶだけなら、無料でプレイが可能である。


 異論はあるかもですが、だいたいおおむねこんな感じかと思います。FGOを例にしますと『APと呼ばれるスタミナが存在し、時間で回復する』『プレイにはAPが消費される』『他のプレイヤーからサーヴァントを一騎ひとり借りられる』『レイド戦と呼ばれる、他のプレイヤーと協力してボスと戦うことがある』『サーヴァントの召喚は基本的にガチャで行う』『課金すればガチャの機会を増やせる』『課金せずとも、配布されたリソースだけでガチャを回すこともできるし、無課金のままで遊ぶこともできる』という感じ。

 特にソシャゲで大きな要素は『スタミナという概念』と『ガチャ』だと思います。




3.普通のゲームとソシャゲの違い


 通常のゲーム、ここではコンシューマゲーム(プレステ等の家庭用ゲーム機で遊ぶゲーム)とアーケードゲーム(ゲームセンターでクレジットを入れて遊ぶゲーム)とで、ソシャゲを比べてみたいと思います。


 まず、コンシューマゲーム。あらゆるジャンルが今、家で遊べるようになりました。ネット接続により、遠くの人とも対戦できるし、知らない人と共闘もできる。勿論もちろん、一人でゲームを楽しむことができるのは、昔と変わりません。

 さあ、目を閉じて少年時代、幼少期に思いをせてみてください。

 毎日12時間くらい、ゲームしてた時期、ありませんか?

 徹夜ゲー、廃人プレイ、経験がありませんか?

 ドラクエやFF、クラスの誰よりも早くクリアしたかった、そんな日々は?


 こうしたゲームは、基本的に『定額サービス』です。現実で金額をコンテンツに払う場合、上限がある。天井があるのが、今までのゲームでした。ファミコンはカセットを買えば、あとは無料ですね? ネットゲームでも、月額の接続料を払えば、一時間やっても丸一日やっても、金額は同じです。

 基本的に、半世紀に満たぬ日本のゲーム文化は『』で発達しました。


 では、アーケードゲーム、ゲームセンターのゲームはどうでしょうか。アーケードゲームは、プレイの都度つどクレジットを、お金を払わなければいけません。そして、やろうと思えばあるだけのお金をつぎ込むことができてしまう……この辺りは、ソシャゲに似ています。

 ただ、決定的に違う点が、二点だけ存在すると自分は思っています。

 一つは、ライブ感……アーケードゲームは、おおむね全てが『ゲームセンターに自らおもむき、自らの意思でクレジットを入れて遊ぶ』というものであり『対戦相手、ないし共闘相手と、現実の時間と空間を共有するゲーム』だということです。勿論、ゲームセンターにもネットワークで知らない人、一緒じゃない人と遊ぶゲームも存在しますが。

 もう一つは『プレイヤーの力量に応じて、やればやる程上達する』というところです。漫然まんぜんとやってては、この上達は体感できないかもしれません。ただ、情報を集めて経験を積み、反復練習を重ねて戦術を練り込めば、1クレジットの価値は大幅に変化します。同時に、キャラの性能は固定であり、素人が使っても、達人が使っても、リュウはリュウ、テリーはテリー、平八は平八です。既に完成された戦力を渡され、それをどう動かすかがアーケードゲームなんですね。


 さて、コンシューマゲームとアーケードゲーム、二つの先達せんだつジャンルを端的にまとめてみました。両者に共通しているのは、プレイ時のリソースとして『』という共通点があります。ドラクエは、RPGが下手でもレベルを上げれば、ゲームの難易度は劇的に変化します。自分も学生時代は、レベル上げに夢中になりました。自分が持つ時間は、有限なれども自由にできる分量が多い時期があります。

 アーケードゲームも、時間が許せばあとはお財布の問題。ここは本当にソシャゲに似てます。例えば格闘ゲームならば、持ちキャラを自由に動かせるようになると、戦術に幅が出てきます。コンボを覚えれば、ワンチャンスからのダメージが安定します。それらは全て、プレイヤーの成長にかかっています。コンシューマゲームは『時間が許す限りキャラを育てられるゲーム』であり、アーケードゲームは『時間と金が許す限り自分を育てられるゲーム』です。

 では、ソシャゲはどうでしょうか?




3.ソシャゲといわれるゲームたちの本質


 自分がやったことのあるソシャゲは、FGO、アズレン、そして30分で投げ出してアンインストールしたアイアンサーガです。ロボット、大好きなんですけどね……自分が求めるのは、バーチャロンやガンダムVSガンダムみたいなのではなく、スパロボやGジェネみたいなロボゲーなんですよね(笑)

 そんな訳で、ながやんはソシャゲを語るほどの経験はあまりない。

 それを前提に、参考意見程度に聞いてくだい。


 FGOでも、プレイヤーの腕、いわゆるプレイヤースキルが問われることはあります。また、時間をついやして育てた要素が、ゲームを有利に働かせることがあります。

 異なるサーヴァント同士が生み出す、も言われぬ戦術的なシナジー。

 ここ一番で宝具ほうぐを使うタイミング、スキルを使う決断。

 アクシデント、思いがけぬ不利の中からの立て直し。

 FGOには、そうした駆け引きと呼べるゲーム性が、ちゃんと存在しています。


 しかし、それはとある前提条件があって、その先にあるものだと感じました。


 FGOでは、仲間になって戦ってくれるサーヴァント、そのサーヴァントに装備してあげられる概念礼装がいねんれいそう(ステータスの底上げや、特殊な有利条件を付与ふよしてくれる武器であり防具)が、

 ガチャは言うまでもなく、ガチャポン、ガチャガチャと同じものです。

 ここに、ソシャゲがソシャゲたる最大の特徴を自分は感じています。

 これは勿論、自分がFGOと同時並行で遊んでるアズレンでも、変わりません。


 今までのゲームでは、定額料金を払えば必ず、自分の理想の手駒を手に入れることができた。ドラクエやFFでは、カセットを(ディスクを)買えば、あとは時間が解決する問題だった。らいじんのけんやオニオンソードが欲しかったら、時間を費やしていけば必ず手に入りました。同時に、やればやるだけキャラは強くなり、自分の腕前も上がったのです。

 アーケードゲームでは、キャラクターは既に完成されたものとして用意されていました。お金と一緒に時間をかけ、キャラではなく自分が強くなる、それがアーケードゲームです。100円で強くなる人がいれば、10,000円使ってもまだまだな人もいます。でも、やればやるほど、何かしらの蓄積ちくせきがある。

 そう、今までのゲームは程度さこそあれ『費やした時間に比例したなにかが貯まる』ゲームだったのです。


 ですが、ソシャゲは少し違います。ソシャゲ(と自分が仮定した一連のゲーム)はまず、ガチャで戦力を整えなければいけません。基本的に『シナリオを進めて仲間にするキャラ』も『やりこんで敵からドロップした希少価値のある最強武器』もないんです。それらは全て、ガチャというギャンブル要素の中にのみ存在します。

 厳密には、FGOでは配布サーヴァントというものが存在します。

 しかし、それを最善の状態で手に入れるためには戦闘が必要です。

 その戦闘に勝つためには、ある程度強い戦力をガチャから手に入れる必要がある。

 このガチャという『』が、前提条件になっている。

 それがソシャゲの大きな特徴ではないでしょうか。


 個人的に、ガチャに悲観的な感情も、ネガティブなイメージも持っていません。子供の頃は、学校から帰ると無限の時間があった。でも、大人になると時間は有限で、自由になるのは僅かな時間だけ。そういう中で、自分で稼いだお金の一部を使ってゲームをする……なにもおかしいことではありません。

 そういうルールを当たり前と思う程に、ソシャゲは発達し、進化し、一般化しました。

 ソシャゲは、運があれば前提条件の戦力を整えられます。

 運がイマイチでも、現金を投入すれば、それなりに戦力が整うでしょう。

 しかし、それらには全て、上限がない……天井がないんです。

 既存きぞんのゲームが『買ったあと、無限に時間を使って強くなるゲーム』ならば、ソシャゲは『無限にお金だけを使うことで強くなるゲーム』と言えましょう。


 まさに『Unlimited Credit Raiseアンリミテッドクレジットレイズ』という訳です。


 でも……心はガラス! という訳でして……とりあえず、自分なりのゲームに対する価値観、認識を書き出してみました。次回は、ガチャというソシャゲ特有のシステムに関して語ってみたいと思います。長々とすみません、御高覧ごこうらんありがとうございました!

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