超新星的な愛を紡ぐ

この星に似ている星だと教科書に書いてあったけど見たこともない田舎の星よりも間近に迫った修学旅行の方が重要だ。

「ねー、修学旅行どこ行くんだっけ?」

「ん?」

隣で今流行りの雑誌をめくっている幼なじみに尋ねる。くるくると巻かれた茶色の髪をいじりながら、雑誌をめくる。細い砂糖細工みたいな指先には爪花が咲いている。

「どこだっけかなあ?」

甘い声を出して首を傾げる。無性に抱きしめたくて、けどやめておく。

「地球って星がそろそろ終わるんでしょ?その爆発見学とかしないのかな?」「あー、それは今年の3年生が見に行くらしいよ。私たちは…まあたぶん獅子座流星郡見学じゃない?」

「げー…」

それって中学年の研修旅行と同じじゃん。なんで私たちの学年ばっかはずれくじなんだろう。

「まあまあ、いいんじゃない?獅子座流星郡きれいだし。」

「そうだけどさ。」

「あ、この爪花可愛いなあ。」

欲しいなあ、なんて夢見がちな声を出してまた、雑誌をめくる。くるくるの髪が金色に変わる。代わり映えしない毎日が繰り返される。もうすぐ終わる地球って星の住民は何を思ってるんだろう。

「……ねぇ、」「ん?」

酸素があって似たような生き物がいて住民が暮らしている。私の星と似ている地球って星。そこでもきっと誰かがこうして

「キスしていい?」

愛を育んでいたのだろうか。

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