更年期障害が判明して2ヶ月後の2010年10月。

 3回目のテストステロン注射をした後、血中遊離テストステロンの量と肝機能に影響があるかどうかを検査した結果を聞きました。

 テストステロンの投与には肝機能への影響があり、血液検査で肝臓の状態も確認しなければいけないとのこと。もし、肝機能が低下していれば、テストステロン注射はできなくなり、他の方法を取るしかありません。ちなみに他の方法というのは軟膏。陰嚢(つまり、玉袋)に男性ホルモンの入った軟膏を塗り込むこと。この方が手軽だが、体内に入るテストステロンの量は少なく、時間もかかるようです。ただし、薬局でも扱っていることもあり、簡易な方法です。症状が軽ければ、この方法もありえたでしょう。

 結果、肝機能は少しよくなっており、テストステロンは半減……。この年齢平均値の半分しかなかったのに、さらに半分です。しかし、医者が言うには、外部からの注入で体が作らなくてもよいと判断しただけで、これから増えますとのこと。

 それはともかく、1/4になったのに体調は少しマシになったということを考えると、全体には悪くはなっていないということでしょうか。肝機能に問題がないので、体がテストステロンを作れるようになるまで注射を続ける方向で治療方針が決まりました。


 翌年2011年2月に花粉症の症状が出てきて耳鼻科に行き、アレルゲンの検査をしたところ、5年前から続く体調異変についての推測が当たっていたのを確信しました。

 アレルギーを示すIgE値は1295IU/mlとかなり高い。立派なアレルギー体質です。アレルゲンはスギ、ブタクサ、カモガヤにクラス2の反応があり、さらにハウスダストとダニにもクラス2の反応。


 前述したようにテストステロンが減少する原因は一番がストレスです。それは心理的なものも、身体的なものも含みます。

 前後の数値が存在しないので素人の推測なのですが、2006年の「エアコンからカビとホコリ事件」はシックハウス症候群の一種でアレルギー反応だったのでしょう。アレルギーで倦怠感や熱っぽさが起こることもあるようだし、まず間違いないと思われます。

 そして、テストステロンの分泌はアレルギーからの身体的ストレスによって減り続け、2年半後に一気に発症したということでしょう。暑い時期に症状がひどくなるのは、医者によれば暑さもストレスになるとのこと。それまでも軽いながらも同じ症状があったのですが、それまでの症状と似ているのでわからなかったのかもしれません。

 実際のところは症状が起こる前の数値などが存在しないので推測するしかないのですが……。


 3月頭に医者に行き、前回の血液検査の結果を聞きました。

 遊離テストステロンの値は7.1pg/ml。半年前は6.0、その後、3.0→4.1と推移していたので、ようやく半年前よりも上回ったことになります。この年齢だと12程度なので、10くらいまで戻すのが目標。前進はしていました。

 医者の方もなかなか上昇しないので、今回の結果次第では別の方法を検討しようかと考えていたようです。しかし、それは保険適用外。無理です。そんな金はありません。そういう意味でも、なんとかなってくれてよかったと胸をなで下ろしたものです。

 しかし、倦怠感はまだあるし、アレルギーのせいかもしれないし、いつになったら元のペースで原稿が書けるようになるのか皆目見当がつかない不安定な状態。

 とはいえ、普通なら、このまま治療を続けていれば徐々に快方に向かっていけるはずでした。


 そして、あの日が訪れます。

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