第8話 カヌウの話(その2)
レジーがくれた袋以外に、
「いいの? こんな大事なものを」
カヌウは、もうひとつ別の弓もあるし矢もたくさんあるから、それにやったわけではない、
「レノー、
カヌウは自分がどうしてクフィーニスになったのかを語り始めた。
☆★☆
「俺はそもそもレノーの村の
レノーはあの山と谷間で生まれ育ったこと、両親と兄がそこにいることを告げた。
「お前のルーツをたどれば、少なくとももう一人のクフィーニスに行き当たるだろう。おそらく俺もだ。クフィーニスはただ土地の
☆★☆
レノーはクフィーニスの処刑を見たことを思い出した。
祝祭の日だ。
祭りの日に
にぎやかな
「子をなしたクフィーニスは、実はたくさんいたはずだ。加えて、子をなしてからクフィーニスになった者も少しはいたはずだ。俺たちはたぶん、そのどちらかの子孫なのだろう。つまり俺たちは、突然クフィーニスになってしまったのではなく、もともとその
自分の祖先にクフィーニスがいた、それはレノーにとって救いになる、しかしやりきれない思いだった。家族は彼に向って、石つぶてを投げたのだ、何度も何度も。
子供たちにとってクフィーニスは、闇の世界から出てきた
「俺は、クフィーニスたちがどこかにかくまわれているのではないかと疑っている。つまり、あの村以外にだ。しかし、仮にそうだとしても、俺たちにはその場所を突き止めることは出来ない。レノー、お前は聞かなかったか? 『あかし』以外に生き
レノーはそんなこと、だれにも聞かなかったと思い出した。カヌウは、ここまで話したことの半分は、俺の
(どこかにクフィーニスの村がある……? カヌウの言う通り、探しようのないことなのだろうか? ペタリンとの旅で、そうしたこともはっきりするだろう)
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