第8話 まだ繋がっている
中学ももう入学してから半年くらいだろうか、入学式ではキレイに咲いていた桜の木も今では花も葉も散って寂しさすら感じる。最近は特に風が冷たい。部活では3年は引退し、新チーム体制で練習している。新太の所属するバスケ部も例に漏れず、新体制で基礎練習や連携プレーなど丁寧に練習しているところだ。中でも新太は1年生にして夏の大会からレギュラーとして活躍していたので、新チームでも中心的な役割になっている。
「やっぱ上手いなぁ新太。」
「そんなことないよ、皆もできるって。」
勉強は得意ではないが、まぁ普通にはできて、運動はご覧の通り、それでいて性格も良く、ルックスは悪くない、まぁまぁの人気があるのだが、告白はされない。なぜなら、
「なぁあのお姉さんと、どこまでいったんだよー?」
レン姉が休日練習に差し入れや試合を必ず見に来ることで、有名人となり
(卒業生だから簡単に校内に入れる)
しかも、なぜか付き合っていると言う設定になってしまったからである。
(あんなお節介お化け、旦那になるやつは大変だろうけどな。)
なんて思いながら今日まで聞き流していた。
「よし、じゃあ今日はここまでにしよう」
キャプテンである先輩の掛け声で練習を終わり1年生は積極的に片付けをやる。もちろん新太も例外ではない。
こうして、何気ない学校生活を終えて帰宅すれば、
「おかえり新太ー!」
こうしてお節介な美少女が夕飯を作って出迎えてくれる。
これが当たり前なんだと勘違いしていた。
もしかすると、もうこの時から、俺の知らないところで始まっていたのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます