第6話 どうして今さら
美人英語教師と冴えない高3男子が深い関係らしい。
今日1日はそんな話題に学校中が包まれた。金髪碧眼ハーフ美女が、クラスの隅っこにいる平凡男子を下の名前で呼び捨てしたら、まぁ疑問に思われるわな。
俺の下の名前をほとんどの人たちが知らなかったために、最初は誰が呼ばれたのか、という議論になったそうな。
しかし、そんな1日も、気付けば終わり、あっけなく散り散り。学校生活なんてこんなもんだ。特に普段目立たない人間が一瞬話題に上っても明日には皆違う話題を口にするだろう。
「俺も帰るかなぁ。」
一通りの生徒が帰宅するなり部活に行くなりして、静まり返った教室で1人、帰宅の支度を始める。
チラっ
「ん?」
窓の外を眺めていたせいで気が付かなかったが、支度のために目線を戻すと、視界の端っこの扉のところで、何かが動いている。
(・・・・・無視、とはいかないか)
「何してんだよレン姉。」
「ひゃう!」
声をかけると、謎の動くものから予想通りの声がして、金髪の美女が
「バレたか~」
と教室に入ってきた。
まぁ、いろいろと聞きたいこともあるしな・・・。
鞄にしまおうと手にした水筒が、すごく冷たかった。
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