第6話 7月27日

 宮本は、咲良とのセックスに溺れた。

 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんっ

 半開きのドアから、掛川が中を覗くと、太陽光が降り注ぐベッドルームで宮本と咲良がバックスタイルで繋がっていた。

 ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱんっ

「まだやってんのか?」

 半分あきれた感じで笑う。

「そろそろ昼飯にしたいんだが…まあ勝手に食うわ」

 そう言ってドアを閉める。


 宮本は、咲良を抱いた夜から、咲良を離さなかった。そしてレコーディングにいきづまった時は咲良を呼び、キスしたり部屋に連れ込むようになった。咲良はそんなに抵抗しなかった。

 次第に生活が、レコーディング中心から、セックス中心になっていった。レコーディングの合間にセックスしていたのが、いつの間にか、セックスの合間にレコーディングするようになっていた。もはやセックスパーティーと何ら変わりなかった。

 だが不思議と、音楽のアイデアは次々と浮かんでくるのだった。

 宮本の頭の中には、咲良とキスしたりセックスするたびに、脳内が甘く痺れ、素晴らしいメロディーが流れた。

 そして作られる曲の数はどんどん増えていった。

「なんなんだこれは…」

 レコーディング部屋で宮本と掛川は、できあがったばかりの曲を聴いていた。

「いいんじゃない?これ」

「ああ、最近やたらサエてるんだ…音がどんどんあふれ出してくる感じで…」

 自分が作ったものとは思えないくらい、サウンドに、ここ近年にないくらいのキレがあった。

「けどミヤちゃん、大丈夫か?最近ちょっとやつれてるぞ」

「ああ大丈夫だ、俺は絶好調だぜ」

 これならどんな奴にも勝てる、負ける気がしない、今度の新曲はすごいことになるぞ。宮本は薄れかけた意識の中で思った。


 もう咲良は手放せない。

 天使のような笑顔の咲良。

 素晴らしい音楽のインスピレーションをくれる咲良。

 マッシュルームカットがツヤツヤと輝く咲良。

 そして、ヤリたい時に何時でもやらせてくれる咲良。


 合宿も、ついに明日で終わる。

 宮本は咲良を合宿が終わった後もずっと離したくない、と思うようになっていた。


 ポーン…ポーン…

 その日の深夜、山荘のインターホンが押された。しばらくの間、それがインターホンだと気づくものはいなかった。


Date:2019/7/27(sat)23:05

To :長谷川啓介

From:宮本和成

[お疲れ様です。

今日は調子が良くて20曲くらい書きました。

その中でも特によく出来た曲を添付します。

今回のは自信があります。感想を楽しみにしています。]

添付ファイル:[rasp072701.mp4],[rasp072702.mp4],[rasp072703.mp4]

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る