第16話 もやもやする·····
俺は…
「ごめん。付き合えない。
釣畑のことを好きかどうかはわからないけど…
ほんとに…ごめん。」
俺はほんとの気持ちを伝えた。
百花のほうを見ると、
百花は少し涙目になっていた。
「…言えてよかった。でも悔しい。
蒼太と同じ学校に入るために勉強頑張ったけど
結局、ダメだったか…。
それじゃあね、蒼太。お幸せに。」
百花はそう言って、4組の教室から出ていった。
胸が少し痛かった。
初めてこんな経験をしたからか、
力が抜けていく…。
でも、すごいな…。
俺を呼び出すために色々なことをしていたなんて。
このラブレターの件は解決したが
4組全員がしってる。
流石に、4組全員に
「書いたのは幼なじみでしたー!」なんて言えないしな…。
それともみんな忘れてくれるかな…。
俺は悩みに悩んだ結果、少し強引だが
しょうがなかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
~釣畑美羽 side~
朝、大体みんなが揃っていた時、急に大塚くんが
前にたった。
「みんな、ちょっと聞いてください。
この間の俺の机に入っていた手紙の件だけど
昨日、解決しましたー。
他のクラスのやつが、たまたま釣畑のプリントを
拾ったらしい。
それを使って釣畑になりすまして、あんな手紙を
俺に書いたらしい。
騒がせてすいませんでしたー。」
大塚くんがそう言うと、みんな納得したように
「やっぱりそうだよなー」と笑っていた。
でも私は納得できなかった。
大塚くんは誰かをかばって嘘をついている。
私のプリントは確かに知らない誰かに拾われていた。しかし、それは女子だった。
結構前…2週間くらい前だったかな。
私は国語の授業のプリントをなくしたことに気づいた。
もう、授業は終わっていたので必要ではなかったがどこにいったんだろう、と探していた。
しかし、全然見つからなかったので、諦めていた。
その次の日、違うクラスの知らない女の子が私の
所に来た。
その子はふわっとカールした綺麗な髪の毛で、
少し焼けた肌が健康的なかわいい女の子だった。
「えっと…釣畑美羽さん…だよね?」
「はい、そうですよ…?」
「これ…図書室に落ちてましたよ。」
そう言って渡されたのは昨日無くしたプリント
だった。
「あ!探してたんですよ。
ありがとうございます!」
私はそう言って、プリントを受け取った。
「いえいえ、良かったです。」
そう言って彼女は立ち去って行った。
名前も知らない子だったが、そのあと友達に聞くと
新田百花という名前だということが分かった。
大塚くんの幼なじみですごくモテるのだと
友達が言っていた。
そんな出来事があった。
私がプリントを落としたのはその時くらい。
という事は新田さんが私のプリントを使って
あの手紙を書き、告白したということ?
幼なじみと言うことだが、その可能性は高い。
でもどうして私の字でかく必要があったのか…。
色々わからないところがあるけど、
ただ分かるのは、今回の件は
新田さんが関係していること。
もし、新田さんが大塚くんのことを好きで、
告白してるとしたら…
大塚くんはなんて返事をしたんだろう…。
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