第4話 階段の下で
~釣畑美羽 side~
私が自分で決めた"ある事"。
それは中学生の時のある経験から。
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中学一年生の4月20日。
中学校に入学したての私達は、席替えをした。
私は1番前、教卓のすぐ近くになった。
左隣には小学校は同じだったけど、あまり喋ったことの無い、富田洋介(とみたようすけ)になった。右隣は違う小学校だった一ノ瀬陸(いちのせりく)になった。
洋介とは面識はあったのですぐ喋ることが出来た。一緒に喋っているとすごく楽しく、自然と笑顔になれた。
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5月29日、自然教室。
今日から2泊3日、自然教室!
初日は班ごとで学校から泊まるところまで歩いていくことになっていた。14キロもあり、さすがにきつかった。でも、洋介や陸、もう1人の班員の山田楓花(やまだふうか)ちゃんと楽しく喋りながら歩いていると疲れは軽減されるようだった。
洋介と楓花ちゃんが2人で喋っている。
私はなぜかモヤモヤした感じだった。考えなくてもすぐに分かった。
泊まるところに着いたあとも、ほとんど班で行動するので私は洋介たちとほとんど一緒にいた。自分の思いに気がついてからそわそわした感じがする。
私は初めて人を好きになったので自分でもびっくりしている。
楽しい時間があっという間に終わり、自宅に帰ることになった。すごく楽しかった。
特にドキドキしたことは、キャンプファイヤーでマイムマイムを踊った時。踊る時に、隣の人と手を繋ぐのだが、私の隣は洋介だった。自分の気持ちに気づいてから手を繋ぐというのはハードルが高い…。マイムマイムを踊ってるのは楽しかったけど、「手汗とか大丈夫かなて」って心配もしてた。
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楽しかった2日間が過ぎて、みんなまだ夢心地だった。私も夢心地で勉強しようと思えなかった。
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それから何ヶ月かたった9月。
席は離れてしまっていたが、私はまだ変わらず洋介の事が好きだった。
体育祭の前々日。先生や先輩達が体育祭の準備をするため、私達1年生は早帰りの日だった。
その日、私は隣の席ですごく仲良くしている男子、川北祐誠(かわきたゆうせい)に「放課後、階段下に来て欲しい。ある人が言いたいことがあるって。」と言われた。
私もそこまで鈍感じゃないので、告白とかかな?と思ったけど誰かは分からなかった。
そして、放課後。私は言われた通りに階段下に行った。すると、祐誠と洋介が来た。
私がビックリしていると、洋介が頬を赤く染めて、しっかりと私の目を見て
「好きです。付き合ってください。」
私にはそう聞こえた。
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