23 新メンバー加入!

結論から言うと、昨日のKフォースによる決死総攻撃は効果はあったと言えるだろう。確かにイージス本体にはダメージを与えることはできなかったが、戦闘機部隊による絶え間ない爆撃は確実にイージスの体力を奪っていった。そして爆撃開始から4時間後、ついにイージスの動きが停止する。


「体温低下、身動き一つ取らない所を見ると……」


「寝てますね」


「そうだよねぇ……」


 イージスは休眠状態に入った、これが現在のKフォースの見解だ。


「ほんっと舐められたもんだよ。まさか敵地の真ん中で居眠りされちゃあKフォースの面目が丸つぶれさ」


 イージスは自分の障壁によほどの自信があるらしい。イージスは眠っている間も、障壁による迎撃フィールドを展開していた。


「ちょっとカケルく~ん、これ見てよ~」


 カツコがスマホで映したのは、休眠中のイージスの映像だ。


「これさっきドローンで撮ったんだけど……」


 地上から空へ舞い上がり、ふらふらとイージスに向かっていくドローン。だがイージスから50mほどの距離で突然画面がブラックアウトした。


「……という感じ」


「うわ~こんなちっさい対象でも反応するんだ……」


「お二方、このメグルにもわかりやすく説明してください」


 するとカツコが別の動画に画面を切り替えた。その動画は、先ほどのドローンを地上から映したものだ。


「はーいここ注目」


 カツコが指さしたところに、豆粒ほどのドローンが飛んでいる。そのドローンがどんどんイージスに近づいていき、次の瞬間突如宙に現れた障壁に弾かれ墜落していったのだ。


「寝てる間も360度守ってるんですか。もはや悪夢ですね」


 そうやってしゃべるカケルは、どこか楽しそうだった。


「だが弱点がない生物なんていない。カツコ、こいつはいつ起きるんだ?」


「体温から計算して、遅く見積もっても五日後ですね」


 それを聞いたタイガはにやりと不敵な笑みを浮かべ、立ち上がる。


「よし、行くか!」


「行きますよ!」


 カケルもそれに続き立ち上がった。


「僕も行きます!」


「え? え? え?」


 ついにはエイタまで立ち上がる。メグルは旗揚げゲームで騙された人みたいな疎外感を味わった。


「行くってどこに!?」


 メグルの問いに三人はニカッと笑う。


「決まってるだろ!」


「イージスの弱点を」


「探しに行くんです!」


 この男共、出会って一日も経たず息ぴったりだった。男というものの本質に年齢は関係ないかもしれない……、メグルの顔は苦虫を噛み潰したようになっている。


「じゃあ頼んだよー」


 後ろで手を振る特殊情報部隊隊長のお墨付きを得た時点で、メグルに拒否権は無い。


「私、昨日から寝てないんだけどぉ!」


 今日は新しい仲間を引き連れて、KKCのいつもとちょっと違う日常が始まった。

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