第10話 マドラーと恐怖のローラン先生
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えっ、と、……え???
私は今幻覚でも見てるのかな?
…………あ、だめだ何回見ても稽古のあとのお茶会(参加人数二人)で紅茶かき混ぜてるやつだわ。
へー。
マドラーって壁に刺さるのかぁ。
知らなかったなぁ。
っていうかマドラーって凶器になり得るんだ。
知らなかったなぁ。
あ、そう言えばローランさんって私にとって師匠なのかな、先生なのかな。
どちらかというと先生だよね、やっぱり。
……はい、現実逃避はよくないですよね。
でもね、今私が一番目を逸らしたいのはね、マドラーが飛んできたであろう方向に目が笑ってない微笑みで立っているローラン先生なんだよ。
「おいローラン……どういうつもりだ」
「貴方こそどういったおつもりですか?
休憩なさっている勇者様に声をかけるだけでは飽き足らず、勇者様の半径50cm以内で、勇者様に軽々しく口を利くなど……!」
怖い怖い怖い落ち着いて!!!
「はぁ!?」
いやロキシィさんがそういう声を出すのも当然ですよ。
ローラン先生どうした!?
イケメンが過ぎて暴走した!?
落ち着け!?!?
「話すときにこれくらいの距離になるのは普通だろうが! 」
まぁそうですよね。
寧ろ妥当な距離ですよね。
「
……そう言えばいつも微妙に距離(物理)を感じるとは思ってたよ。
そう言えばお茶会もまぁまぁな大きさの円い机に向かい合わせだもんね。
80cmは確かにあるよ。
……まぁ、そもそも始めはローランさんは紅茶を淹れて私が飲むみたいな感じになってたのを、私がローラン先生も参加してくれってお願いして二人でのお茶会になったんだけどそれは置いといて。
「今すぐ離れるならば私も剣を抜かずに済むのですが……」
今はローラン先生を何とかせねば……!!
「ちょ、ちょっと待ってローランさん!」
「勇者様、今貴方に狼藉を働く愚か者を排除致しますので」
今すぐ離れるならいいって言ってなかった!?
もう排除決定なの!?
何が怖いって目がガチなのが一番怖いよ!
「落ち着いてくださいって! ローランさん!!」
「私は至極冷静です」
このやり取り前もやったね! って違う!
あぁ、もうどうすれば……!!
そんなことを考えている間にローラン先生がゆらりとロキシィさんへ近付いていく。
やばいやばいやばいやばいやばい!
何とかして止めないと……!!
あっ剣に手をかけようとしてるよね!?
ちょっ、待っ、
「ローラン先生!!!!!!」
あっやべ。
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