第33話 妖、第6話を考える!?
「良かった。意外に良かったぞ。第5話。」
酒呑童子は、旧暦忍者のヒットを祈願する。
「文字数も1300字と、意外にあって、問題の無い文字数だ。」
玉藻前は、第5話の想像以上の出来に驚いた。
「これからは第5話を基本に、名前を変えたりしてテンプレート型通りに進めていけば、製作は順調に進みます。」
大嶽丸は、第5話のできに満足していた。
「ゴオ・・・ゴオ・・・」
鬼妖神は、返事がない。まだ寝ているようだ。
「いや~! 良かった! これで忍者と妖怪はスムーズですな。あとは毎回、妖怪から1匹、忍者に倒される犠牲者を出せばいいだけですね。」
案山子教頭は、第5話がスムーズに制作されたことを心から喜んだ。
「しかし、その1話ごとに1匹倒される妖怪を創作するのが難しいというか、面倒臭いのだ。」
百目は、三大妖怪の下位の地位にいる。
「今、楽が出来ているのは、一つ目小僧や唐傘など、退治される妖怪が決まっているから、気楽にしていられるのだ。そうでなければ先頭の酒呑童子から倒される妖怪の創作を必死にしないと倒され妖怪が完成しないからね。」
付喪神は、妖怪だけど神である。
「さあ! 第6話の創作スタート!」
「鬼妖神様! どうかお力を与えたまえ!」
玉藻前が妖怪の頂点、鬼妖神の眠りし肉体に祈りを捧げる。妖怪の暗いアジトに新たな妖怪が生まれる。
「ピカーン! ビビビビビー!」
壁に埋め込まれた上半身のだけのような姿の鬼妖神。その目が光りビームを発射し、一人の妖怪が姿を現す。
「玉藻前様のお呼びにより駆けつけてきました。唐傘です。」
現れた妖怪は、唐傘だった。
「よく来た。唐傘よ。人間界に行って、人間を驚かせて来るのだ!」
「ははあ!」
こうして玉藻前の命令で、唐傘は人間界に出発した。
「今日は転校生を紹介します。」
奏の通う渋谷スクランブル高校の教室に新しい転校生がやってきた。
「唐傘です。よろしくお願いします。」
なんと転校生は、妖怪だった。
「ギャアアアアー!? 傘がしゃべった!?」
教室の生徒たちは転校生が唐傘なので驚いた。
「助けて! 睦月ちゃん!」
奏は、妖怪が現れてピンチになり、友達の睦月の名前を咄嗟に叫ぶ。
「これは姫の悲鳴!? 何か一大事があったに違いない! 直ぐに駆けつけるでござる!」
教室の天井裏部屋でゴロゴロ漫画を読み、おやつを食べていた忍者の睦月が奏の悲鳴を聞いて、慌てて戦闘態勢に入る。
「姫! 大丈夫でござるか!?」
睦月は、天井裏から教室へ飛び下りる。
「睦月ちゃん!」
奏は、睦月が現れたことで安心の笑みを浮かべる。
「あれを見て!」
「ムムム!? あれは妖怪!? 唐傘!?」
睦月は、自分が逃がした妖怪の1匹、唐傘と遭遇する。
「由緒正しき忍者の家柄! 旧暦家の名にかけて! 唐傘! お前は私が退治する!」
睦月の決めゼリフと決めポーズが決まった。
「これで本当に小説かな?」
「ドラえも〇のように、1話15分のアニメ、1話1000字の小説か。」
「小説家になろ〇ではウケるのかもしれないけど、これで小説かな?」
「本当に難しいところですね。」
「でも、これがラノベといえばラノベのような・・・。」
「これでいいなら何話でも簡単に作れてしまう。」
「それでもってクオリティーがあれば許されると。」
「時短料理主婦ならぬ、時短小説作家だな。」
「妖怪の名前を変えるだけで、1話完結だと前後のつながりが関係ないから、これでも違和感がないんだよね。」
「不思議、不思議、摩訶不思議。」
「とりあえず進めていけば何か生まれるだろう。」
「妖怪! ファイト!」
「おお!」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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