第29話 妖、第5話を考える!?
「あんたたちだけでは話が進まないだろうから、私がお題を伝えに来たわ。お題は、第5話の退治される妖怪を決めて、どんな悪事をするのか決めて頂戴!」
奏は、つなぎ役として、全ジャンルに登場する。
「丸投げではないか!? それが人間のやり方か!? 我ら妖怪から生贄を出せとは!? なんと卑劣な!?」
酒呑童子は、妖怪最強の種族、鬼を束ねる鬼ボスである。異世界ファンタジーでいえば、ドラゴンである。
「一つ目小僧でいいよ。次に二つ目小僧。その次が三つ目小僧・・・。百目まで妖怪には困らないよ。」
玉藻前は、人間ポイ妖怪と動物の頭領である。わかりやすくいうと、鬼以外。
「悪いが鬼神系の魔物系妖怪は、1匹も創作されてないから無理だ。」
大嶽丸は、配下の妖怪が一人もいなかった。
「コオ・・・コオ・・・。」
ダースベイダ〇、じゃなかった。鬼妖神は、未だに眠り続けている。このまま張りぼてというのも面白い。
「鬼妖神様をラスボスに仕立てるが目覚めないので、本当は三大妖怪の3人が権力を欲しいままに操るというのはどうでしょう。で、最後は三大妖怪が破れたら、奇跡的に鬼妖神様が目覚めて、本当の最終決戦を迎えるというのはどうでしょうか?」
案山子教頭は、本当は鬼妖神を倒した後に、自分が妖怪のトップに君臨すると言いたかった。
「第5話は一つ目小僧にするとして、何を悪さするかですね。一つの目玉で驚かすしかないですよ!?」
百目は、一つ目小僧が自分になるまでに99回も進化させないといけないと気付いた。
「例えば、唐傘が付喪神になるためには、100年の時間が必要になる。なんと先の長い話だ。」
付喪神は、一つ目小僧や唐傘の進化論に苦言を呈する。
「ということで、一つ目小僧と百目は別人格! 一つ目小僧と唐傘の2人が増えますの一つ目小僧です。よろしくお願いします。結局、5話で忍者に倒されるんですけどね。悲しいー!」
一つ目小僧は、有名な妖怪だけに悲しい宿命である。
「分かったぞ! キャラクターやストーリーの創作をダラダラ書くのではなく、第5話を書いてしまえばいいのだ。」
唐傘は、良い所に気が付いた。これで、これからは10万字に続くように、ストーリーが進む。
「ショートコント・スタート! ではなく、第5話の創作スタート!」
「鬼妖神様! どうかお力を与えたまえ!」
玉藻前が妖怪の頂点、鬼妖神の眠りし肉体に祈りを捧げる。妖怪の暗いアジトに新たな妖怪が生まれる。
「ピカーン! ビビビビビー!」
壁に埋め込まれた上半身のだけのような姿の鬼妖神。その目が光りビームを発射し、一人の妖怪が姿を現す。
「玉藻前様のお呼びにより駆けつけてきました。一つ目小僧です。」
現れた妖怪は、一つ目小僧だった。
「よく来た。一つ目小僧よ。人間界に行って、人間を驚かせて来るのだ!」
「ははあ!」
こうして玉藻前の命令で、一つ目小僧は人間界に出発した。
「ストップ!」
「完璧ね。」
「200字くらいとは思いますが、毎回の冒頭シーンとしては妥当でしょう。」
「でも、一つ目小僧は人間を驚かせに行くの? もっと、こう、奏姫の生まれ変わりの皇室の娘、プリンセス奏を誘拐してきて、鬼妖神に捧げると復活するとか、大きなテーマが必要だと思うのですが?」
「それは後から分かるることにしよう。だって書き直すの面倒臭いんだもの。」
「その通り。」
「納得した所で、1話を2000字とか長くする必要はないのかもしれない。起承転結で簡単に書いて1話1000字位にしよう。」
「そうですね。その方が楽でいい。簡単が大好きです。」
「起承転結の起は出来たので、次は承を作成しましょう。」
「おお!」
「第5話の創作のつづきを開始!」
「今日は転校生を紹介します。」
奏の通う渋谷スクランブル高校の教室に新しい転校生がやってきた。
「一つ目小僧です。よろしくお願いします。」
なんと転校生は、妖怪だった。
「ギャアアアアー!? 目が一つしかない!?」
教室の生徒たちは転校生が一つ目小僧なので驚いた。
「助けて! 睦月ちゃん!」
奏は、妖怪が現れてピンチになり、友達の睦月の名前を咄嗟に叫ぶ。
「これは姫の悲鳴!? 何か一大事があったに違いない! 直ぐに駆けつけるでござる!」
教室の天井裏部屋でゴロゴロ漫画を読み、おやつを食べていた忍者の睦月が奏の悲鳴を聞いて、慌てて戦闘態勢に入る。
「姫! 大丈夫でござるか!?」
睦月は、天井裏から教室へ飛び下りる。
「睦月ちゃん!」
奏は、睦月が現れたことで安心の笑みを浮かべる。
「あれを見て!」
「ムムム!? あれは妖怪!? 一つ目小僧!?」
睦月は、自分が逃がした妖怪の1匹、一つ目小僧と遭遇する。
「由緒正しき忍者の家柄! 旧暦家の名にかけて! 一つ目小僧! お前は私が退治する!」
睦月の決めゼリフと決めポーズが決まった。
「ストップ!」
「なんでいいところで止めるのよ!?」
「なんか抜けてるのよね。もっと、こう「助けて! 睦月ちゃん!」というリアリティーな一文が足らない、欲しいところよね。」
「それを採用しよう。書き足してくるから待っててね。」
カロヤカにお任せあれ。
「書き足し完了! いい文章になったな。」
「あの・・・あなたは誰ですか?」
「私? 私はライト文芸部の部長の春夏冬天だ。」
「私は宇賀神麗。この物語は、ライト文芸部を基本に書かれているのよ。」
「はーい! 教師の伊集院苺です! あなたの担任よ! よろしく。」
「私の同級生を紹介します。」
「真面目キャラで学級委員長もできそうな小田急大蛇です。」
「世の中、笑っていればなんとかなります。越後屋笑です。ニコッ。」
「この世界の絶対的支配者! カロヤカさん役の軽井沢花です。」
「あ、カロヤカさんの件が少し面白く感じたでござる。」
「新たに教師や生徒を作るとしんどいので、メンバーはガッツリ、ライト文芸部の登場人物を使います。使いますというより、ライト文芸部の世界に睦月ちゃんの世界を新たに書き加えたという方が正しい。」
「そうすると、忍者と妖怪を考えるだけでいい。ラッキー。」
「でも、これ、あれよね。妖怪の創作の番が先で、倒される妖怪を創作して、起承転結の起承までを書いて、忍者の創作の番で起承転結の転結を書くとスムーズに第5話ができるわ。」
「それか、ズレたのを幸いとして、次の忍者の創作の番で後編を書いて、第5話を完成させてしまいましょうよ。」
「それがいい、それがいいと言いました。ニコッ。」
「まあ、展開はライト文芸部のなので期待できないでござる。ニンニン。」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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