第28話 忍、第5話を考えよう!?

「今回から私たち忍者は、妖怪とも別れてストーリーの創作活動に入ります!」

 奏は、忍者と妖怪の分離、ストーリーの創作を発表する。

「おお!」

 睦月たち12人の忍者は話が前に進むことを喜ぶ。

「第5話を書くためには、まずは第1話から第4話までを読んでこなくっちゃ。」

 睦月は、過去の第1話から第4話を読み返す。

「読み終わったでござる。まだ皐月が樹木忍法を使っていたでござる。葉月に葉っぱ忍法は取られたのに。しかも3大妖怪をカビ忍法で倒してるし。なんて、へっぽこな勝ち方なんだ。」

 睦月たちには、素晴らしい優秀な忍者の部分と、ダメダメ・グダグダのへっぽこ忍者の部分がある。

「おまえの分身だからだ!」

 睦月以外の11人がツッコミを入れる。全ての原因は、本体の睦月にある。

「私にへっぽこの部分はない!」

 如月は、自分は優秀だと思っている。感情が高まり、氷が体全体を覆おうとしてくる。

「ギャア!? 体が凍る!?」

 しかし、感情が高まると温度調整ができないので絶対零度の氷に自分が閉じ込められる。

「へっぽこは弱点でもあるが、我々の強みです!」

 弥生は、春の希望の光らしく前向きな発言をする。

「悲しいのは普通より、へっぽこ忍術の方が優秀なんですけどね。アハハハ。」

 時に前向きの中にも、後ろ向きな春の卒業を連想させることも言ってしまう。

「ストップ! なぜかキャラクターの創作になっているぞ! ストーリーの創作をしなくっちゃ、話が前に進まないぞ!?」

 卯月は、お酒を飲んだふりをしていない時は、実はまともな忍者だった。

「うい! 酔っぱらっちゃった! キャハハハハ! オエー!」

 しかし酒が入いった演技をすると最後に醜態をさらす。

「結論! 第5話にどんな妖怪が出てきて、どんな悪さをするのかを先に考えないと第5話が書けません!」

 皐月は、ストーリーの創作ができないのは、妖怪の性にする。

「ああ~、なんて爽やかな風だ。気持ちいいー!」

 ちょっと自分のカッコ良さに酔うところがある。

「ということで、1人2言1巡のキャラクターの創作が行われています。私は清流を扱う水の忍法の使い手です。」

 水無月は、「皆好き」と検索される。

「ああ!? 清流にカビが流れている!? まあ、いいや。」

 もちろん水の中にはカビも含まれているので、飲むことはお勧めしない。

「それでも6月の水無月までで約1000字。下半期の6人も登場させると倍の2000字ですな。」

 文月は、勉強が大好きなので、これぐらいの計算は暗算でできる。

「プシュ~!? しまった!? 勉強し過ぎた!? ヘニャヘニャ。」

 しかし勉強過ぎると知識の詰込み過ぎでパンクする。

「だらしがないぞ! 忍者たるもの鍛錬が必要だ!」

 葉月は、体力バカの傾向にある。

「くらえ! 忍法! 世界樹! ん? んん? なぜ芽だけ?」

 しかし生えたのは世界樹の目だけだった。夏休みを使って8月いっぱい水やりをして育てよう。

「どいつもこいつも元気だな。ふあ~。」

 長月は、睡眠と読書と食欲を愛する。

「家事も終わったし、おやすみなさい。zzz。」

 しかし長月は気力はないので、ミノムシみたいに家事と睡眠を愛する。

「なんだか、みんなのへっぽこな部分の紹介になってるね。」

 霜月は、まるでおそ松く〇並みのへっぽこさに危機感を覚える。

「シモシモ忍法! ダイヤモンドダスト! わあ~! きれい!」

 なぜか氷の結晶の忍法を発動させる。

「うむうむ。異世界ファンタジーの魔法も漢字に置き換えれば、忍法として使えるのか。」

 師走は、忍法と魔法の置き換えの境地に気づいた。さらに科学も置き換えが可能である。

「手抜きで飛ばしたら6人分が500字で終わっちゃった。アハッ!」

 これで1人2言1巡が無事に終わった。各自のエピソードが描かれていないのが、これからの課題である。

「さあ! ショートコント・スタート!」

「ちょっと待ちなさいよ!? 誰か忘れていませんか!? 私は睦月に忍術を教えた師匠の旧暦百ですよ!? 毎回毎回、お約束のように忘れられたんじゃ、商売が上がったりだ。いい加減、忘れるのをやめてくださいよ。」

 百は、自分の扱いに不満がある。

「そうだ。睦月をピンチにして、私が助けに現れる所から始めましょう。うん。それがいい、それがいいと言いました。マル。」

 もう既に旧暦百の正体は謎の人に忘れ去られている。

「相変わらず元気な師匠ですね。」

「いいのか? このへっぽこ弟子。私に口の利き方を間違えると、旧暦家の奥義の秘伝忍術を教えないぞ。」

「旧暦家の奥義の秘伝忍術!?」

「そうだ。旧暦家の奥義の秘伝忍術、春夏秋冬だ。」

「春夏秋冬!?」

「カット!」

「なぜ良い所で止める?」

「創作で物語を書いてしまうと探すのが大変になるのだ。」

「でも、これぐらいのありふれた奥義の登場なら普通に何回でも書けるか。」

「ということで、第5話は妖怪さんが誰を犠牲にするかで決まることになったでござる。ニンニン。」

 カロヤカにお任せあれ。

 つづく。

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