第16話 ラ、本編が書けない!?

「ライト文芸部と忍者・妖怪の2分化に成功しました。これで各物語ごとに長い尺で会話ができますね。」

 奏は、両方の作品に登場するのだが、無事に2分化できて、ほっとしている。

「でも、次の本題がやってきた。私たちライト文芸部は、このグダグダした調子でいいと思うのだが、これではまともな本編が書けない、進めないという問題だ。」

 天は、不真面目だがライト文芸部の部長なので、議題がある時は真面目になる。

「そうね。私たちは、これでいいということは、再び苺ちゃんの教師物語を書くということね。」

 麗は、こう見えてもライト文芸部の副部長である。

「確かに真面目な物語を書いていません。これは由々しき事態です。各ネット小説投稿サイトのコンテストが、最初から優勝者が決まっているような出来レースばかりで書く気になりません。」

 大蛇は、そのおかげでライト文芸部が創設されたことを知っている。

「複垢や業者、運営の評価の水増しは、ほぼ確定でしょうから、腐ってますね。この業界。」

 笑は、不正で大賞や出版だから、ファンもいないので売れないと言っている。

「それでも書き続けるしかありません。宝くじも買わなければ当たりません。アニメーション会社も半分は赤字で倒産する時代です。」

 カロヤカさんは、苺先生の話より、自分が主役の話に戻ることを希望している。

「1人1言1巡のダラダラトークで創作して、次で本編を書けばいいのよ。これの繰り返しあるのみ。」

 苺は、自分の作品の復活がありそうで嬉しかった。

「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しい最中ですよ! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」

「コンコン。」

 本物の幽霊おみっちゃんとコンコンは、部室が広くなって掃除や片付けに忙しい。

「創作1話で1000字。そうすると本編1000字で1話くらいかな。1話で2000字とかだと天が死んじゃうわ。ということは、この話もあと200字位で終わらないといけないんだけどね。あ、私は食べたら帰るからね。」

 幽子は、本当はライト文芸部の皆のことが大好きだ。

「さあ! ショートコント・スタート!」

「て、1話1000字の場合、もう130字しか残ってないんですけど。」

「どうにもならないね。」

「笑おう! 笑って誤魔化すしかないよ!」

「ワッハッハー!」

「ということで、まずは苺ちゃんの話で、出来ている所だけでも見て見直してみよう。」

「それを見る前に、さらに問題点が見つかったぞ!?」

「なんだ!?」

「毎日、触れない可能性が出てきた。もし今日、ライト文芸部の番として、明日は忍者と妖怪の番とする。すると、明日にライト文芸部に触れない可能性がある。」

「分かった! 間が1日空いてしまうということだ!」

「その通り、毎日続けて書いていないと忘れてしまうということだ。」

「内容を忘れてしまうのと、書いているときの熱量が下がってしまう。」

「欠点だな。」

「元の形に戻すか?」

「いや、それでは1話が長すぎる。」

「打開策としては、次回に何から始めるか分かるように書いてまとめておくしかない。」

「ちなみに次回は何から始めるんだ?」

「苺ちゃんの作品を読むところから。」

「これなら分かるな。」

「1話の文字数を1000字以上に設定して、ローテーションのペースをあげて回していくしかない。」

「これもライト文芸部の宿命だな。」

「次話の忍者と妖怪たちは大丈夫だろうか? 心配だ。」

 カロヤカにお任せあれ。

 つづく。

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