第13話 新入部員がキター!?
「ほれ見ろ。ライト文芸部でグダグダやっている間にアイデアとキャラクターが溜まってきて、へっぽこ忍者の睦月の第4話が簡単に書けてしまったではないか。」
天は、ライト文芸部の貴重な存在をアピールする。
「これもライト文芸部の輝かしい功績ね。次々と大ヒット作を世に出すのよ!」
麗は、自分のおかげと言わんばかりに大絶賛である。
「喜んでばかりはいられません。調子に乗った忍者と妖怪がライト文芸部の部室から出て行ってしまっては、文字数という名の家賃収入を得ることができなくなってしまいます。」
大蛇は、不真面目な先輩2人を注意する。
「去る者は追わず、新しい来る者を創作した方がいいんじゃないですか? ニコッ。」
笑は、正論で対応しようとする。
「JRS(ジャパロボ・S)なんかが、新しい創作作品の対象ですが・・・、今の部長に何作も書き続けられる体力と精神力があるとは思えません。」
カロヤカさんは、冷静な天の分析である。
「忍者さんと妖怪さんには、ライト文芸部の部室に残ってもらいましょう。顧問命令です!」
苺は、教師として生徒にパワハラを行う。教師のパワハラに生徒たちは成績を人質に取られているので歯向かうことはできない。
「みなさん! 今日の和菓子は、ほろ苦いゆずぽんですよ! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」
「コンコン。」
本物の幽霊おみっちゃんとペットのコンコンは、幽霊と妖狐なので、どんなことにも動じなかった。
「ごほん。本題に入る前に言っとくけど、ゆずぽんは和菓子なの? 結論として、ライト文芸部は部室から忍者と妖怪を追い出すことができない。つまり忍者のアジトは、ライト文芸部。妖怪のアジトも、ライト文芸部ね。あ、私は食べたら帰るからね。」
幽子は、籍はライト文芸部だが、帰宅部の幽霊部員である。お茶を飲んだら帰る優等生である。
「ふう~、よかった。もう少しで野宿になるところだった。せっかく第4話も完成して、これから物語が盛り上がっていく所なのに、ホームレスになっている場合ではない!」
睦月は、過去の世界から来たので文無しである。
「何を言っているの? 私たちは忍者なんですけど。それに私たちには、奏姫様の住まい、昔は江戸城。今は皇居があるじゃない。忍者なんだから屋根裏部屋に住めばいいのよ。」
如月は、忍者らしい生活をしようと提案する。
「この部室という書庫は面白いですね。いろいろな歴史や技術が本に書いてあります。」
弥生が感動しているのは、天の書いた駄作の山と駄作を書くための資料集である。ここは図書室ではない。
「いや~、和菓子に桜はあいますな。ワッハッハー! 木に桜を咲かせましょう! それ! それ!」
卯月は、花さか卯月になって、きれいな桜をライト文芸部の部室に咲かせる。もちろん後片付けをする気はない。
「おいおい!? 桜吹雪過ぎだろう!? これのどこが爽やかなんだ!?」
皐月は、和菓子とお茶に降り積もる桜の花弁の性で飲食できなかったので怒った。
「部室にトイレを作ってしまいましょうか? 私たち生徒じゃないので姿を見られるのはまずいはずですよね。」
水無月は、カビより水を扱う方が良いだろう。トイレは、もちろん水洗便所である。
「すごい!? ここに西洋便器というものがあるぞ!? これはスクワットしながらではなく、座りながら用を足すことができると書いてあるぞ!? なんて画期的な発明なんだ!? きっと、ここにある本は禁断の書!? 秘伝忍法帳に違いない!?」
文月は、天の駄作ではなく、天が小説を書く資料集に感銘を受けて驚いている。
「初めまして、おそらく睦月の分身で一番最強の旧暦8月の葉月です。なぜ葉月が最強かって? それは夏が1番1年の中で過酷な季節だからです。」
葉月は、最悪の場合、海パン1枚の変態体力バカという可能性もある。
「失礼しますよ。私は睦月の師匠の旧暦百です。睦月の分身を毎回1人づつ登場させるのはいいんですが、奏姫様をライト文芸部に登場させなくていいのかい? 奏姫と睦月たちのやり取りを始めないと、睦月の第5話が書けないと思うんだが?」
旧暦百は、弟子の睦月や作品のことを心配しているのではなく、あくまでも妖怪を倒すという目的のために行動している。
「次元を超えてきた性か? 妙に体が怠いな。」
酒呑童子は、体の不調を訴える。
「違うわよ。話が長かったり、ライト文芸部と忍者と私たちで、3ジャンルが一つの部室にいるから酸欠なのよ。」
玉藻前は、不調の原因は高山病だと推測する。
「何とかして雑魚妖怪を創作せねば。雑魚妖怪の素材は、案山子にしよう。案山子に妖力を分け与えて、新しい雑魚妖怪を生み出すとしよう。」
大嶽丸は、なんとか話を進めてくれる。
「ゴオ・・・ゴオ・・・。」
鬼妖神は、ダースベイダ〇を決め込んでいる。狸寝入りが疑われる。
「案山子が雑魚妖怪の素材か。私も案山子なのよね。嬉しいような悲しいような。」
案山子教頭は、案山子なので複雑な心境だった。ちなみに案山子教頭も案山子から作られている。
「ということで安い案山子から召喚された、一つ目小僧です。確実に第5話で睦月ちゃんと戦って、妖怪の墓場行きです。」
一つ目小僧は、妖怪の基本。進化系は二つ目小僧。進化すれば百目、千目、億目、兆目などに進化できます。素晴らしいアイデア。
「さあ! ショートコント・スタート!」
「長い! 多い! 疲れた!」
「牛丼の吉野〇みたいなキャッチフレーズね。」
「ライト文芸部8人と1匹、忍者9人、妖怪6匹で、もう1話で2000字も超えてるし、尺は十分だわ。」
「何も考えずに、このまま終わってしまおう。」
「ちょっと待った!」
「誰だ!?」
「私は天皇の娘、春篠宮奏です! プリンセス奏とも呼ばれています。」
「奏姫様!?」
「姫がどうして、こんなむさ苦しい所に!?」
「むさ苦しくて悪かったな。」
「私は、ライト文芸部に入部します!」
「そうでござるか、姫はライト文芸部に入部すると、それは良い話ですな、ワッハッハー・・・なんですと!?」
「私がライト文芸部に入部すれば、本物の忍者の睦月ちゃんたちが、ライト文芸部の部室にいても違和感がなくなるはずよ。」
「じゃあ、姫を狙って妖怪がライト文芸部の部室にいても問題はないということだな。」
「皇室の私が通う学校ということで、今までの渋谷高校では面白みがないので、渋谷スクランブル高校に改名します!」
「すごい!? 天皇の娘が通学するだけで、学校の名前が変わるのか!?」
「なんという皇室の権威だ!?」
「あの・・・ここはライト文芸部の部室なんですが、我々は。奏さんが登場してから、ほとんど発言をしていないんですが。」
「そこの庶民、天皇の娘である私に何か文句があるの?」
「ここは・・・!?」
「やめなさい! 天!」
「止めるな!? 麗!? 手を放せ!?」
「よおく考えなさい!」
「何を!?」
「ライト文芸部に皇室の娘が入部するということは、どういうことになる?」
「どういうことになるのだ?」
「ライト文芸部は、皇室の娘が入部するぐらい格式の高い部活動になる!」
「ということは、部費もアップする! 部費を使い込んで、世界旅行に行くんだ! ワッハッハー!」
「奏様、ライト文芸部は、全員一致で奏様のライト文芸部への入部を歓迎いたします。」
「よろしくお願いします。気楽に奏って、呼んでください。」
「奏! よろしく! ライト文芸部に新入部員がキター!」
「これでいいのだ。」
「天才バカボ〇かよ!?」
「それを言われたくないから、カロヤカさん、任せた。」
「カロヤカにお任せあれ。」
つづく。
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