第9話 ライト文芸部、一丸となる!?

「ライト文芸部の諸君! 私を手伝ってくれ! このままでは私は創作の情報量に頭がパンクして、爆発してしまう!」

 天は、部長として1人で作品を執筆・管理してきた。しかし、それも脳みその限界を迎えていた。

「そうね。いままで天に任せっきりだったから、私たちも、そろそろ放置されても確立されたキャラクターとして、自由意志で責任のある行動ができるはず!」

 麗は、ほぼキャラクターが完成し、個々のアイデンティティーを持つまでに第5期までかかってしまった、継続は力なりと言っている。

「部長のつまみ食いの性で、多くの課題を抱えています。忍者が12人で、まだ4人。妖怪が108匹で、まだ3人。ライト文芸部は、ペットが増えました。」

 大蛇は、もっと言いたいことがあるのだが、1人のセリフが長くなると回らないことを知っているので自重した。

「ドリームコンは、我々の第2期を。30才以上のコンには「最強の歯科助手みなみちゃん」の美代先生を30才ということで乗り切ります。ニコッ。」

 笑は、1人2行以内を守ろうとすると言葉を何回も選び直した。きっと規制が撤回されるのは時間の問題である。

「問題は、新たに湧いてきた部長が書いたとされる「異世界ファンタジー・オール・ミックス」作品の制作に取り掛かるかどうかということです。」

 カロヤカさんは、現実にライト文芸部の部室には呼びにくいが、ライト文芸部の作品として、異世界ファンタジーのごちゃまぜ計画がある。

「この熱量を勉強に向けてくれたら、きっとあなたたちは東大でも、京大でも入ることができるわよ。」

 苺は、教師として、ライト文芸部の熱意に呆れる。

「みなさん! 今日の和菓子は、甘くて美味しい栗饅頭です。 もちろんお茶もありますよ! エヘッ。コンコンには油揚げをあげよう。エヘッ。」

 本物の幽霊おみっちゃんは、第5期に入っても自分のスタイルを崩さないで守っている。

「コン。」

 おみっちゃんのペットのコンコンは、好物は油揚げである。そもそも部室でペットを飼って、現実ドラマ作品は崩れないのだろうか? 気にするのは止そう。

「異世界ファンタジーの課題が決まったわよ。課題は「あなたの心です。」、2行じゃ何もしゃべれない。あ、私は食べたら帰るからね。」

 幽子は、2行しか話せないのでストレスが溜まった。

「睦月でござる。何はともあれ分身たちのキャラクター作りは順調でござる。ニンニン。旧暦忍法! 分身の術!」

 睦月は、完成していく分身の力を元に戻して全て吸収して、自分を強くするつもりである。

「如月です。氷を扱う者として、冷たく本体の睦月にも接するつもりです。忍法! 吹雪き!」

 如月は、睦月の分身の中で絶対零度を扱う。冬の女王様である。

「ほ~い! 弥生どす。温かい日差しだすな。ええ感じやわ~。忍法! うたたねの術!」

 弥生は、睦月の分身の中で陽気な性格である。能天気なだけかもしらない。

「ジャジャジャジャーン! 卯月で~す! ただの酔っ払いではないで! 忍法! 桜酔拳! アタタタッタタタタタタタタタッタタター! アター!」

 卯月は、忍者なので体術が使えても不思議ではない。差し詰め、桜の拳といったところだろうか。

「私は病気だ!? 病に侵されているんだ!? 五月病こと、皐月です。得意な忍法は、ダラダラ、ゴロゴロです。」

 皐月は、睦月がへっぽこ忍者なので分身たちは、面白いエンターテイメント的な、へっぽこ分身になってきてしまった。

「ひ、酷いね。私たち妖怪は、こんな忍者と戦わないといけないのかい? 封印から解放してもらった恩はあるが、やられるのは耐えがたいね。」

 ぬらりひょんは、睦月ちゃんのへっぽこぶりに、銅像になった朱の盆に申し訳ないと思うのであった。残りの妖怪は、107匹。

「ぬらりひょん様。朱の盆は水木しげ〇大先生問題がありますので、銅像になってもらって良かったですね。作品のオリジナル性が確保されました。」

 酒呑童子は、ナンバー2の教頭候補だった朱の盆が銅像になって喜んでいる。

「ぬらりひょん様。妖怪は現世では教師に擬人化しないといけないんですか? 女教師の同僚の名前が苺だなんて、変な名前。」

 玉藻前(妖狐・九尾の狐)は、冷酷に内心は、ぬらりひょん校長も、オリジナル性の面から要らないと感じていた。

「さあ! ショートコント・スタート!」

 1人1言1巡が終わった。ライト文芸部8人と1匹、忍者5人、妖怪3匹の合計17人の1800字である。

「うわあ!? もう7月だ!? またネット小説投稿サイトのコンテストの年末年始がやってくるぞ!?」

「まあ、どうせコネ無しは受からないから気にしないでいこう。」

「で、異世界ファンタジーのテーマが「あなたの心です。」とは何ぞや?」

「現代人の心の闇、例えば天でいうと、仕事量が増えすぎて、心が追い詰められていくのね。」

「追い詰められた人間は、心を悪魔に売り渡す。」

「川崎の登戸の様な無差別大量殺人事件を引き起こす。」

「というこで、腐った人間の心に巣くった妖怪、魔物、モンスターを異世界ファンタジーの作品には退治してもらおう、という趣旨です。」

「リフレッシュして、清らかな心の持ち主になってもらいます。」

「清く、正しく、美しくの精神です。」

「宝塚歌劇団かよ!?」

「部長の精神的ノイローゼから、新しいストーリーができました。」

「天、もっと苦しめ。」

「なんでやねん!?」

「睦月ちゃんは、へっぽこ忍者だから、影分身もへっぽこ。」

「分身たちも、性格=季節感が出てきたね。」

「素晴らしいことだ。」

「妖怪さんは、朱の盆が銅像になったそうな。」

「しかもメジャーなところで、ぬらりひょんと朱の盆に登場をお願いしたが、水木しげ〇大先生問題で二次創作の疑いがあるから、敵メインでは使えない。」

「逆に日本の三大妖怪の酒呑童子、玉藻前は、まだ2人なのに、ぬらりひょんも排除しようと考えている。」

「妖怪って、恐ろしいね。」

「うちの妖怪は可愛いけどな。」

「みなさん! 和菓子ありますよ! 和菓子! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」

「コンコン!」

「睦月ちゃんは、どんどんカオスを極めてきたな。」

「普通は1人くらいは、普通のキャラクターがいるものだが。」

「睦月ちゃんの分身だから、分身たちは睦月ちゃんに忠実に「へっぽこ」なのだ。」

「変な忍者が12人もできるんだな。」

「恐ろしい。ゾワゾワ。」

「忍者って、世界では大人気なのに、睦月ちゃんの設定がもったいない。」

「最後に異世界ファンタジーについてだが。」

「ライト文芸部が書いた作品の世界としておこう。」

「完全にアニメだな。現代ドラマでは、作品なだけ、とかで凌ごう。」

「ダンジョンが人間だな。」

「人間の体の中に巣くう妖怪、モンスターを倒す。」

「天は、作品抱え過ぎで倒れる。それを天の体内で戦って、敵を倒し、天を救う。」

「めちゃくちゃ簡単なストーリー概要だな。」

「だって、ライト文芸部だから、これでいいのだ。」

「そうだね。ワッハッハー!」

 カロヤカにお任せあれ。

 つづく。

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