第9話 空間と時間
朝目を覚まししてから、夜目を閉じるまでの間の時間と自分を囲む空間は、自分ではどうにもならないと思っていた。
時間と空間を一変させる方法はないものかと考えてみた。
自分で自分の好きなような時間と空間を変える方法があったのだ。
誰もが感じているかもしれないが、
1つ目は、音楽。自分の好きな音楽を鼓膜に浴びせるといつも見慣れた空間が、時間の過ごし方がまるで別物になる。そして、管理している自分がいる。イヤホンをすれば周りには通常どおりの時間軸と空間のまま。
同じ次元に居るはずが、体という物体を置き去りにして心は自由に開放されている。
最高の気分になれる。
2つ目は、言わずと知れた、恋愛だ。純愛が最適だ。心躍らせるだけの純愛だ。相手が気づこうが気づかなかろうがそんなものは関係ない。高揚感が半端ない。ありったけの空想を働かせれば、光り輝く異空間の出来上がり。
対象は、自分の存在と同一での実在でも不在でも、時代や空間を遡ろうが自分が何者であろうが関係ない。人間が想像力を持っていることに感謝する瞬間だ。贅沢この上ない。
3つ目は、読書。小説でもエッセイでもアニメでも何でもよい。これは前の2つと違い与えられ続けられる加工された世界に入るものだが、のめり込むと世界観がたまらない。動画もいいが、個人的に動画は脳の中で自分の力で作り出す方がはるかに体感に繋がる気がする。
4つ目、これは少し控えめな味わい方だが、人間観察だ。勝手に関連性を空想したりして物語を作ってみると、思いがけない時間の使い方ができる。
ただ、対象が無意味に見られている事を悟ると、気まずい空気になることがあるので要注意だ。
5つ目、回想。未来の計画。やや現実的な使い方だ。合理主義にはもってこいだが、真面目過ぎて私には苦手である。
6つ目、すべて無理な場合は、仮眠。記憶も時間も移動している場合は空間も飛ぶが、心身の活力が増すかもしれない。
同じ空間を別空間に感じる方法はいくらでもありそうだ。苦手な人と過ごさなければならない時にも応用できる。目の前で眠るのはさすがに失礼ではあるが、楽しい時間や空間に変えることはできる。一緒に食べる事すらも気が進まない場合は、飲み物だけでもいい。会う目的を、気になる飲み物を飲む目的に入れ替えると、相手の話も良いとこどりで聞けるし、一緒にいる相手も大好きなフラペチーノに見えてくる。
自分の気持ちは自分で管理できる。詰まらないという気持ちは、案外、大した問題ではない場合がある。いつも詰まらなさを味わうような相手としょっちゅう時間を過ごすのは考えものだが、たまになら、いかようにもなる。企画のよればことのほか楽しめたりする。
ライン等の言葉のやり取りでつながっている場合は、好きな相手以外は、私の場合は耐え難い苦痛なので、一刻も早く切り上げたくなるが、それでも、性格や容姿や声色等想像できる限り、自分の好みに入れ替えると、ラインの交流も待ち遠しくなる。
誠に勝手ながら、全て自分の脳をどう働かせるかによって、聴くもの見るもの感じるもの触れるもの等の感覚、第六感までもを自分の管理下に置くことができる。
創造的に過ごすか、生産性を上げるか、快感にひたるか、活動的にするのか、全て自分の思い通りだ。
今や自分の空間に土足で目の前に実在として入り込んでこない限り、電源を切れば遮断できる時代だ。
そう、今は皆、何かしらで忙しいのだ。身を護るすべは持ち合わせている。
自由に、開放して解き放てば、新たな世界の扉が沢山見つかる。
どの扉を開けるでもいいのだ。とどまるのも、進むのも、扉の中をチラ見して閉じるのも何でも有なのである。
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