第5話 親友エヴァン

『おう!アレン、おはよう元気か?おい、おい、そのバイク"STAR RIDE"の最新型じゃないか?!』


駐輪場で自転車に鍵をかけていたアレンに親友のエヴァンが期待していた通りのリアクションをとってくれた。


『おはよう、今日は最高な日さ!なんたって誕生日だからね、このバイクはプレゼントなんだ』


『あ、そうだったな!誕生日おめでとう!豪華なプレゼントに嫉妬するけど、帰りにアイス奢ってやるよ』

と、エヴァンが肩を組みながら歩き出した。


『お前、いい奴だな!ありがとう!年の数分奢ってくれるんだよな?12個な、よろしく』


『アホか、調子乗んな!』


とエヴァンがアレンのお腹に軽くパンチすると突然スタートした鬼ごっこが始まった。二人は廊下で怒る教師達を無視しながら走って教室へと向かった。


エヴァンとアレンは物心ついたころから一緒にいて兄弟みたいな仲だ。家は1ブロック離れているものの、親同士もとても仲が良い。アレンの両親は50代だが、エヴァンの両親は20代半ば。親同士の年の差があるぶん、エヴァンの母親がイーサンからディナーやケーキの作り方を習っていたり、休みの日には双方の男同士がテレビゲームをして盛り上がっていたりする光景はまるで家族のようだった。


親友といえどケンカもするが、最長2日くらい経てばどちらかが我慢できずに脇腹をつつく。たぶん大人になってもエヴァンもアレンはこの関係がなくなることはないだろうと思っていた。


アレンの夢はサッカー選手、エヴァンの夢はバスケットボール選手。どこにでもいるような普通の男の子達。


今日は教室でつまらない授業を受けたあとに、最新型のバイクを代わり番こに乗りながらいつもの店でアイスを食べる。


そのあとは家族3人で誕生日を祝いながら、いつもよりは少し豪華なディナーを食べたあとおしゃべりをする。


そんな予定だった。


でも


今日は今までの誕生日とはちょっと違う。


いや、だいぶ違う誕生日になった。










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Heaven's Door @ioioioi

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