フリースペース 2020/7/7
お久しぶりなフリースペースである。今までのフリースペースでは、お笑い関係のニュースについてのことやテレビの感想について書いてきた。
しかし、前回からの間でお笑い関係のニュースはたくさんあった上、六月から始めた『箇条書き日記』の方でテレビの感想を書いている。
そこで、今回のフリースペースは、もっと個人的な、私の身の回りに起きたお笑いに関係のある出来事やお笑いについて考えていることを書いていこうと思う。
以前に、母と服を買いに行った。いい服が見つけられなくて、母と共にスーパーの服売り場内あっちこっち回っていた。
そんな時に、一枚のズボンが目に入った。茄子を思わせるその鮮やかな紫色を見て、私ははっとした。
「松陰寺さんのスーツみたい!」
言いたい、これは隣にいる母に言いたい。
しかし、母はお笑い界に詳しくない。ラーメンズの片桐さんを、俳優さんだと思っていて、逆にムロツヨシさんを芸人さんだと思っていたくらいである。
ここで「松陰寺さんのスーツ」と言っても分からないだろう。私は、母の肩を叩いて言った。
「ねえあれ、ぺこぱのツッコミの人のスーツみたいな色だね」
母にもそれは伝わったようで、「ああ」と笑ってくれた。
私は心の中で「よしっ!」とガッツポーズをしつつ、まだ言い足りなかったので小声で「松陰寺さんね」と付け加えた。
追記・テレビでぺこぱが出ていたのを見て、私が「ぺこぱが出ている」と呟いた時、母が、「ぺこぱって?」と尋ね返していた。
びっくりしてしまった。え? 知っていたんじゃないの? と。あの時に母の納得は、私の妄想だったのだろうか。
もったいぶって隠すつもりはないけれど、いざ言おうと思うとちょっと恥ずかしい話。
小説を書く時、「モブの名前は芸人さんから引用する」というマイルールを決めている。変なところで名前について悩まなくてもいいし、今度はこの人の名前を引用してみようと個人的な楽しみになっている。
以前、『日常キリトリ線』で公開した「落雷鑑賞会」は、高校の休み時間のクラス内での女子高生たちのやり取りを描いた短編である。
そこでは、計五人の女子高生が登場するのだが、「赤崎」という子以外、「都築」「福井」「山本」「原田」という四人は、とある共通点のある芸人さんの名字にちなんでいる。分かった人とは、握手をしたいです。
答えは、「トリオ芸人の中の一人」である。
四千頭身の都築さん、GAGの福井さん、ロバートの山本さん、ネプチューンの原田さんが名字の由来だ。
こういう、私だけが楽しいことを、もっと執筆中に取り入れてもいいかもしれないなと、今振り返って思った。
五月に公開した「芸人放談 すゑひろがりず編」が、一日の最大PV数を更新した。
正直、今まで公開した小説・エッセイのPV数を遥かに超えている。その後は緩やかに減っていって落ち着いたので、あのバブルのような狂乱は一体……と個人的に思ってしまう。
ありがたいことに、ツイッターで告知した途端にバーンと増えた。応援のハートがついていないことから、恐らくはカクヨムユーザー以外の人が多かったのだと思われる。
すゑひろがりず効果恐るべし。そして、見てくださった皆様、改めてありがとうございます。
その後、アクセス数は普通になっている。意図的にすゑひろがりずの話題を出さないと、またあんなに増えたりはしないだろうなと自分でも分かっている。
すると、私の中の悪魔が囁く。「もう一度、リツイートしてPV数を荒稼ぎしてやろうぜ」と。一方、天使も囁く。「いけません。変化をつけるために、けも藪のに島上陸編の感想を加えてからリツイートするのです」……私の悪魔も天使も、PV原理主義すぎて困る。
もしも、私が「すゑひろがりず編」をリツイートしたときには、「ああ、天使か悪魔に負けたんだな」と思ってもらっても結構です。
パソコンで文字を打つ仕事をしている。正直地味だ。もちろん大事な仕事だ。しかしやはり地味だ。
くたくたになって帰るときに、ふと、こんな言葉を思い出した。
「お前が動かしているのはパソコンじゃねぇ。世界だ」
空気階段のコント「電車のおじさん」にて、口調は荒いがとっても優しいおじさんが、朝の電車で疲れた様子のサラリーマンに送った一言である。
この一言のお陰で、私の方も「よし、頑張ろう」と思える。
小説の一文や、歌詞の一節で感動して、元気をもらえることはたくさんある。
コントでの一言も、そういう力があるんだよと、声を大にして言いたい。
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