64日目  関空ー堺


 出発。今日はまず国道26号線を進んでいく。

 今日の目的は堺。思いっきり歩けば、大阪の中心まで行けるんだけど、無理をせずに行こうと思う。そういえば、大阪を目指して歩いてきたけれど、どこをゴールにしよう? もう大阪だけど。

 

 まぁそれはさておき、今日はせっかくなので古墳も見てみたい。

 末広公園前の交差点を通過。今日も見た目は変わらないかな。

 その先にはさらに大きい交差点。横断歩道がないので歩道橋で先にわたるんだけど、その歩道橋の上を、関西空港と繋がっている線路や道路が頭上を横切るように伸びていて、なかなかの迫力だ。さすが大阪。スケールが大きい。

 そこを抜けても、相変わらず変わらない風景が続く。自動車販売にチェーン店っぽい料理屋などなど。ご当地大阪にしかないものなら特筆的だけど、その違いが分からないからなぁ。


 なんて思いつつ歩いていると、不意に左手に池が現れた。大きな水溜りって感じだけど、まわりに立ち並ぶ住宅が何十件も収まるほどの大きさだ。地図を見ると、道路の右側にも少し離れたところに大きな池、中庄? があるみたい。さすが水の都大阪、都心でもこういう池がちょくちょくあるみたいだ。

 大阪・貝塚方面へ進んでいく。途中道路がなぜか高架になったけど、その道路のすぐ下にも道が伸びているので、並行するように進む。その後、高架の道が降りて来てまた合流したけど、線路も川もなかったし何の意味があったのだろう。


 それから進むことしばし、見出川を渡ったところで、貝塚市に入った。といっても街の景色が何か変わるわけでもなく、しいて言うならチェーン店の店名が「貝塚店」になったのと、貝塚市に入ったため標識に書かれていた大阪・貝塚方面の貝塚が、岸和田に変わったくらいだ。


 このまま進んでもつまらないのでちょっと寄り道。交差点を左に曲がって貝塚の市役所に行ってみた。市役所自体は体育館や何とかセンターが隣接しているごく普通の作りだったんだけど、その横に小さな鉄道の駅があった。名前はそのまま貝塚市役所前。無人駅・単線。都会の真ん中なのにこんなところに線路があったのってイメージ。調べてみるとこれは水間鉄道という私鉄。本社は貝塚市というご当地路線で、路線距離は5.5キロ。これでも紀州鉄道の二倍あるのか。こういうローカルなものがみられるのも楽しみ。寄り道して正解だった。


 というわけで再び国道26号線に戻る。道路左には再び大きな池。今度は堀大池という名前があった。

 その後ちょっと大きな川、津田川を渡って、二つ目の交差点のちょっと先に岸和田市の標識があった。微妙な位置に境があるなぁと思いつつも、無事岸和田市まで到着。まだ出発して二時間ほど。貝塚で水間鉄道を見たのだから、岸和田も何か目玉がほしい。

 ということで、やはり国道から左に曲がって、岸和田城を目指してみた。それにしてもまたしても高架になっている道があったけど、交差点による渋滞解消のためかな。効果はどれくらなのか知りたい。


 思ったより国道から離れていて、ちょっと寄り道を後悔しはじめたけれど、先へと進む。久しぶりの住宅街や坂を抜けると、意外と立派なお堀と天守閣が見えた。岸和田城だ。

 こちらも昭和に再建された鉄筋コンクリートで中は博物館というお約束のお城だけど、三階からの展望はなかなかだった。天守閣の前に、庭に石が並べられ魔法陣みたいになっているんだけど、名付けて八陣の庭。諸葛亮孔明の陣形を模したとか。下からみても面白かったけど、天守閣の上から見ても、ちょっとした地上絵のようで面白かった。

 その後はちょっと離れたところにあるだんじり博物館へ。一緒に割引券があったので分かった。こちらも面白かった。マルチビジョンで見るだんじりの映像は迫力あって、しばらくは本当に祭りの中に居るような感覚になってしまった。


 さて次だ。府道204号線を通って、そのまま行こうとしたけど、結局わかりやすい国道に戻ることにした。それにしても一本しか道がなかった時と違って、どこをどうとおっても道路や家が続いていてどこにでも行けるのはやっぱり都会だと思う。

 やっぱり国道は歩きやすくていい。立ち並ぶ食事チェーン店から適当に選んだ牛丼屋で昼食。結構寄り道しちゃったけど、まだ時間はあるし仁徳天皇陵は見られそうかな。あと3時間ほどとのこと。


 といわけで出発。心なしか、ロードサイドの店の密度も増えてきて都会になってきた印象。そういえばいつの間にか国道も片道三車線になっていた。

 またしても高架になっている道の横を通って先へと進み、信号月の交差点を越えて、再び合流。渋滞解消効果はどれくらいなんだろう。

 またまた高架。けどこれは川を渡るためのものだった。もっとも川を渡った後も自動車道は高架のまま続いていて、歩きはすぐに下されたけど。

 その後も似たような道は何度も続き、気付いたら岸和田市を後にして、和泉市を越え、泉大津市まで来てしまっていた。

 似たようなお店ばかりが並んでいて大丈夫なんだろうかと、逆に不安になりつつ歩いていて、ついに堺市までたどり着いた。さぁ古墳まであとちょっと。

 相変わらず代わり映えのない国道を進み、船尾町東2丁目の交差点を右に曲がり、古墳を目指す。


 府道30号線に突き当たってそこを北に進み、その次は交差点を右に曲がって府道34号線をゆく。どちらも国道じゃないのに道の規模はあまり変わらなくて、周りの町やお店も一緒だ。

 それでも徐々に、いわゆる閑静な住宅街になってきて、その先についに古墳にたどり着いた。といっても、堀の先に木々が生い茂った小高い山みたいなのが見えるだけで、古墳の形は全然わからない。それでも古墳脇は遊歩道みたいになっているので、それを見ながらゆっくり歩く。ちなみにこちらは履中天皇陵であって、日本最大の古墳はこの先だ。

 その前に公園があって博物館もあったので寄ってみた。古墳が目当てだったけどそういえば堺と言ったら、戦国時代の鉄砲や千利休とも縁があるんだっけ。そちらの展示も楽しめた。せっかくなのでVRで仁徳天皇陵を見てみた。こちらも迫力があって面白かったけど、自由に動けたらもっと良かったかな。ちょっと物足りなかったかも。


 博物館を後にして、実物を見にいく。といっても全体を見れないことは分かっていたので、古墳のお尻の部分にある事務所前の広場から眺めてみるだけだった。もちろん目の前に見えるのはちょっとした小山なんだけど、周りの雰囲気が天皇家のお墓って感じでよかった。

 この後は古墳の西側を通って、堺市の中心へと向かう。東堺の駅の周辺は高いビルも立ち並び、もう都会だった。


 堺市役所は展望台にもなっているので寄ってみた。最上階からの眺めはなかなかのものだったんだけど、古墳全体を見るには高さが足りないみたいで、やっぱり古墳は単なる木々が生い茂った山にしか見えなかった。


 というわけで、市役所を後にしてすぐ近くのホテルへと向かう。今日はここまで。さぁ明日は最終日です。

 

 

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