63日目  和歌山ー関西空港(近く)


 さぁいよいよ今日は、最後の目的地、大阪府へ突入だ。

 ちょっと高いホテルに泊まったら、マッサージチェアーがあったので体力も回復。民宿もいいけどやっぱりホテルだね。


 さてまずは紀ノ川を渡るため、北へと向かう。駅周辺は、町並みも道路もかなりの都会だ。

 県道15号線を歩き、紀ノ川を渡る。橋の長さはかなりのもの。川を渡ったら大阪って訳じゃないけど、別の国のような感じ。こっちが都会だったのに対し、川の向こう側は、まだまだ町も目立つんだけど、その奥には山々がそびえたっていて、緑も目立つ。あの山の先が本当の大阪だろうか。


 橋を渡ってそのまま県道15号線を進む。次郎丸の交差点のところに、でっかい人形があって、これが次郎丸なのかと思ったけど、お寿司やさんのマスコットだった。

 県道15号線をそのまま進み、大阪へとつながる県道752号線に合流。

 道は綺麗なんだけど周りに緑や山が目立ち始めた。さてそろそろ周りに人がいなくなった……と思ったら、大きな荷物を持った若い女性が少し先を歩いている。まさか彼女も大阪まで? って思ったけど、違った。この先に和歌山大学の入り口があったのだ。曲がる彼女たちを後目に、自分は直進。


 道路の右側は、川と線路で谷のようになっていて、向こう岸は高台だ。そこに、まるで城壁のような町並みが広がっており、イオンモールの看板も見えてきた。とりあえず、そこを目標にする。トイレや休憩が気軽にできる便利な場所だ。

 しばらく歩いて、和歌山大学前駅に到着。イオンと連結しているんだけど、休憩やトイレはそこで済ませることが出来たので、イオンには寄らずにそのまま出発。

 このあたりは山を切り開いて作った、ふじと台という新興住宅地みたい。安心安全を売りに、自治会がパトカーのような車で見回りをしているとか。あの和歌山大学駅前もここに合わせて作られたみたいなことが書いてあった。

 それにしても山にでっかく「学園城郭都市ふじと台」って書かれているんだけど、その二つ名、格好良すぎる。


 さてそのふじと台を後にして、いよいよ山に入っていく。

 そして意外にも早くその文字が見えた。「大阪府」

 ついに大阪に入ったのだ。とはいえ峠は越えても、山と山の間を抜けるような道は変わらない。まだ和歌山っぽいかも。

 そんな大阪府岬町は、なぜかビーチバレーの町って紹介されていた。

 そのまま県道……じゃなくて府道を通って先へと進む。隣には国道26号線が走っているんだけど、そちらは自動車専用道になっていて歩けないため、ちょっと遠回り。そのためかなり歩いたはずなのに、大阪までの距離がなかなか縮まらない。


 そんな大阪の果ての地に、興味深いものがあった。

 孝子駅前を通過してしばらく歩いたとき。道路わきの工事現場みたいな空間に、トタンで囲まれた何かがある。そこにあるのは数多くの自動販売機。それは18歳未満お断りのビデオ・本の販売機だった。なんか下着まで販売されているんだけど……意外と豊富なラインナップだ。……大阪や和歌山の男子中高生は、自転車を走らせて、ここまで買いにくるのだろうか。


 とまぁ、そんなこんなで山間の道を抜け、ようやく町並みが復活する。

 深日町駅に到着。ここからは県道――じゃなくて府道の方向も、L字のように曲がって東方面へと続く。

 南海本線のみさき公園駅まで歩いて、ひと休憩。みさき公園は大きな公園で観覧車も見えた。駅も他と違って綺麗な作りで、駅前にはなぜかマンモス像が置かれていた。トイレに来たんだけど、駅ナカだったので入場料を払ってトイレを澄まし、ついでに駅のベンチに座って、少し休憩してから出発。


 府道に沿って関西空港方面にずっと北東に進むんだけど、いわゆる幹線道路的な景色がほとんど変わらないので、退屈。

 後から地図を見ると、この道の右に左に、古墳がたくさんあったようなんだけど、道からはまったく気づかなかったのが残念。


 コンビニでイートインしたり、ハンバーガーチェーン店で軽く食べて休憩したりしながら、府道752号線をひたすら進む。

 左手には海が見えるようになっていた。ときおり海風が涼しい。海水浴場もあるようだけど、ときめきビーチ・ぴちぴちビーチってネーミングセンスが何とも……。大阪っぽいのかな。


 府道752号線をまっすぐ、途中から204号線を進み、阪南市・泉南市・泉佐野市と次々越えていく。泉佐野市はふるさと納税で有名になった市だ。けっこうお金を集めたみたいだけど、道を見る限りその違いは分からなかった。

 樫井川を渡ったところで右に曲がり、和歌山辺りでは歩行者は歩けなかった国道26号線に入った。

 片道二車線歩道付きの綺麗な道なんだけど、こちらはさっきの府道よりも畑を突っ走る殺風景な道だった。これなら府道を歩いてきて正解だったかも。


 そこを少し歩いて、今日の目的地、関西空港の名前の付いたホテルに到着。といっても空港はまだまだ遠いけれど。

 最初はいろいろあったけど、後半はただ道をまっすぐ進むだけだった。明日もこんな感じになりそうなので、どっか寄ってもいいかも。

 というわけで。今日はここまで。お疲れさまでした。


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