62日目  有田ー和歌山


 さぁ今日も元気に出発。

 まずは有田川沿いを通る国道42号線を西へと進んでいく。右手に流れる有田川の先に山々が並んでいて、何とも雄大な光景だ。今日はこの山を西から迂回するように越えて和歌山市を目指すのだ。

 右側に橋があったので、まだ川に沿って進むのは同じだけど、せっかくなので渡ってみた。吊り橋風でかなり真新しく感じる。有田中央大橋っていうようだ。


 渡った後は、今度は有田川を左に見るようにして西へと進む。あ、有田川は二級河川なのか。

 こっちの方が多少住宅が多いかなって思ったけど、川の向こうを見れば同じようなものだった。結局西に向かったことで町中に近づいたようだ。

 紀勢本線の箕島駅に向かってそこでひと休憩するつもりだったんだけど、その手前に大型スーパーがあったので、そこでトイレ&休憩をさせてもらった。たまにトイレもない駅もあるしね。


 休憩を終えて再出発。せっかくなので箕島駅にも寄ってみた。平屋建てだけどターミナルも広くそこそこ立派な駅だった。ちゃんとトイレもあったし。

 再び西へと進み、さっきまで川の南側を通っていて、北に進路を変えて伸びている国道42号線に合流。このまま北へと向かう。

 だいぶ歩いたけれど、そこそこの町並みがまだ広がっている。やっぱり平野部が多い方が栄えやすいのかもしれない。

 その後国道は東へと進路を変え、さっきまで見えていた山の中へと伸びていく。結局迂回するように伸びていても、多少は山道になりそうだ。

 そんな中、海南市という標識が。何が変わったというわけではないけど海南市に突入である。右手には川……じゃなくて星越池というけっこう大きめの池が見えた。

 その先にはトンネル。脇に階段があったのでそっちを行って、無事トンネルの先に出られたけれど、トンネルの上を上って歩く道だったので、結構疲れた。

 トンネルを越えても山の中を通る道は続く。とはいえ登りではなくなったし、左手眼下には町並みが広がっているのが見えた。


 下津という町のようで駅もあったんだけど道路から下にあるので寄れなかった。けど港もあってそこそこ大きな町並みだ。

 駅には寄れなかったけどコンビニのイートインで休憩しつつこの先のことを考える。このまま国道を通っていけば目的地なんだけど、そうすると西に飛び出た半島(名前は不明、下津の町?)の部分はスルーになってしまう。

 けどもうホテルの予約もしてしまったし、厳密に海沿いを通らなくなってきているので、そのまま国道を進むことにした。


 というわけで出発。

 緑は多いけど、お店や住宅も目立つ国道をそのまま進んでいく。国道42号線恒例の浜松から……もついに、461キロになっていた。

 道路わきにラーメン屋っぽい床屋があった。カットマン本店って書いてあるからチェーン店なのだろうか。入口には暖簾もあるし。ラーメン屋の居ぬきだろうか。

 「消費税完納推進のまち しもつ」って看板があったけど、それはつまり感応していないってことだろう。ていうか取られる方は取られているのに、不公平だと思う。


 その先にトンネル。「ライト付けろ」「事故多し注意」などの看板がやたら目立つ塩津第一トンネルだ。さすがにここまで警告されているトンネルを歩いて強行突破できないので、脇の階段を上ってさっきと同じようにトンネルの上に出る。それにしても塩津って、下津に似ているけど誤字じゃないよね?

 というわけで山道である。アスファルトが敷いてあるので歩きにくくはないけど登りは辛い。景色がいいのがせめてもの救い。ああ。海が見える。こんなに近くにあったんだ。

 ほとんど山の上を通りながら国道の上を越えてふと気づく。あれ、これ降りられない? けどもうどうしようもないので、このまま歩いていく。こんな山の上なのに、料理屋があった。しかも地中海料理で船が置いてあるよ。山の上なのに。ちなみに歩いている道からさらに登る必要があるので、スルーした。


 その後も歩き続けようやく下れそうな道があったのでそっちに曲がる。急な下りのうえ、くねくね曲がって歩きにくかったけど、なんとか国道に戻ることができた。

 国道はいつの間にか海沿いを通る道になっていた。釣り情報センターなるものがあったけど、コインスナックって、自動販売機の餌バージョンだろうか。

 左手に広がる海は和歌浦湾だ。海の向こう側に和歌山市のマリーナが見える。今日の目的地まであとちょっとだ。

 この先もトンネルがあるようなので海側の道に曲がって進む。冷水という地域のようで、漁港って雰囲気だ。この近くに駅があるんだけど、微妙に道が違うのか行けなかった。国道を通ればよかったのかも。いつもと逆のパターンだ。


 再び国道に戻ったけどまたトンネルがあるので脇道を行く。今度は山登りはしなくて済みそう。海際の道を進んでいくと周りは工場が目立つ。

 そんな中にあった中野BCという会社は梅果汁の製造日本一とか。工場の敷地を覆う塀が日本風(瓦敷き)になっていておしゃれだ。

 そして国道に戻ると片道二車線にパワーアップしていた。もう山登りや迂回はしなくて済みそう。和歌山までの距離が書かれていたけど、前に見たときとあまり変わらないのは、山登りや迂回ばかりしていたせいだろう。

 道も周りも綺麗なんだけど、まだ中心から遠いせいか、肝心の食べ物屋が見つからない。それでもモスを見つけて、ようやく食事&休憩ができた。


 さぁ。あとちょっとだ。

 国道は海に沿うように北に進んでは西、北に進んでは西と伸びていく。その先にトンネルがあったけどさすがに町中なので歩道がしっかりとあったのでそのまま通ることができた。

 紀三井寺辺りまで来ると後はずっと北に行くだけ。建物もこの辺りは減っていて、道路がはるか遠くまで伸びているのが見える。国道42号線はこの先も左に曲がって伸びているんだけど、和歌山駅に直通するため、直進する。長かった国道ともお別れだ。

 ちなみに国道を逸れて進む道は、国体道路って言われているみたい。おそらく和歌山駅から紀三井寺の運動場を直線でつなぐために出来たのかもしれない。まだ新しい感じの道だ。


 少し進んで紀三井寺駅。久しぶりに大きな駅を見た気がする。ただ紀三井寺は前にも見たし、線路の向こう側なのでスルーして先に進む。

 そして和田川を渡った先がついに和歌山市――かと思ったら、もうとっくに和歌山市に入っていたみたい。ちょっと残念。

 そこからは綺麗で、悪く言えば代わり映えのないどこにでもあるような幹線道路をひたすら直進して和歌山駅に到着。さすがに駅前は高いビルも多く見える。関東圏に住んでいると、和歌山って田舎なイメージだけれど、綺麗な道路に大きなビルの数々。こう見ると十分大都会だ。って、泊まるホテルは線路の向こう側だから、あっちに行かないと……

 というわけで。今日はここまで。お疲れさまでした。

 


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